心の夜明けは、愛が知らせる
ストーリー:1909年、人種差別が色濃く残るジョージア州。幼くして出産経験がある少女セリー(ウーピー・ゴールドバーグ )にとって心の支えは、美人で頭がいい妹ネティだった。そんなセリーは“ミスター”と呼ばれる男性(ダニー・グローヴァー)に嫁ぐことに。奴隷も同然の毎日を過ごす中、家出をしたネティ(アコーシア・ブシア)がセリーの家に訪ねてくるが、ミスターは彼女を追い払ってしまう。やがてミスターは昔の恋人で歌手のシャグを家に住まわせるように。セリーはシャグとの出会いを機に自立を意識しだす・・・。
出演:ウーピー・ゴールドバーグ 、ダニー・グローヴァー、マーガレット・エイヴリー、オプラ・ウィンフリー 、ベン・ギロリ、ダナ・アイヴィ、レイ・ドーン・チョン、アコーシア・ブシア、ローレンス・フィッシュバーン
★★★★★ 最高傑作
何回見てもあきないです。かれこれ、50回は見てると思います。スピルバーグの作品の中で、3本の指に入ると思います。
★★★★★ 名作です。スピルバーグが描きたかったのは何だったのか。
舞台は20世紀初頭から1940年代のアメリカ南部。この時代、当然、人種差別が酷かった。公民権運動が起きるのは1960年代になってからです。この映画でも白人の人種差別が描かれているが、それ以上に、黒人社会の男女差別やDVが主題と思う。南部のKKKに代表される人種差別はなぜいまも根強く残るのか、それは、貧しい白人の存在にある、とよく言われる。黒人社会の男女差別やDVも基本的には貧しさに起因するところが大きいのだろう。それは、今日のアフリカのエイズや部族間の虐殺にも通じる部分かもしれない。この映画は20年近く前の映画である。公開当時、スピルバーグがアカデミー賞欲しさにこうしたテーマを選んだと言われていたが、そんなことに関係ない。静かに心を打たれる美しい名作だ。ウーピー・ゴールドバーグには驚いた。凄い女優がでてきたと感じたのを憶えている。廉価版が出たのを機会に購入、久しぶりに見たが、やはり感動的で美しい映画だと感じた。そして、それは人種差別や男女差別、DVなど人間のおろかな行為を社会正義的な視点から断罪するのではなく、人間性のもつ悲しさの一面として描きつつ、一人ひとりの人間の「尊厳」というものの大切さを訴えたかったのではないか、と感じました。
★★★★☆ 人間の扱い
この映画、前半は主に男性から女性に対する差別を中心に描き、その後徐々に白人から黒人への差別も混ぜて描いている。そこに一貫するのが姉妹愛。異常なほどに虐げられても、生きているかわからない妹を思って生き続ける姉の姿が印象的。前半の男性から女性への差別のあり方はもう、これでもかというぐらい残酷で悲惨に描かれ、人間の扱いを受けていなかった女性の過去をまざまざと見せ付ける。また、同じ女であっても様々な生き方をしている様子も描かれており非常に深みがある作品となっている。
作品の詳細
作品名:カラーパープル |
原作名:The Color Purple |
監督:スティーヴン・スピルバーグ |
脚本:メノ・メイエス |
公開:154分 |
上映時間:アメリカ 1985年12月16日、日本 1986年9月13日 |
制作国:アメリカ |
製作費:1500万ドル |
興行収入:9800万ドル |
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