あの日、掌から零れ落ちた幸せひとつ
娘との絆を願い、街の片隅で生きる男の再起を描いた感動作!
ストーリー:かつては職に就き、妻子を持ってまっとうな人生を送っていたジョージ(リチャード・ギア)。しかし今では職も家族も住処も失い、人生のどん底。施設でもらった上着を質に入れ、わずかなビールに変える毎日を送っていたが、やがてニューヨークのホームレス用シェルターの厄介になることを余儀なくされる。彼は、この新しい世界から自らの道を切り開こうと、シェルターのベテランで友人となるディクソン(ベン・ヴェリーン)に助けを借り、人生をやり直していこうとする。その中で、疎遠になってしまった娘マギー(ジェナ・マローン)と連絡を取りなんとか関係を修復しようと奮闘するが、父親を憎んでいる彼女には彼女の生活があり、そんなジョージを受け入れられないでいた・・・。
出演:リチャード・ギア、ベン・ヴェリーン、ジェナ・マローン、キーラ・セジウィック、スティーヴ・ブシェミ、ジェレミー・ストロング、ダニエル・ブルックス、トム・ビショップス、ユル・ヴァスケス、ブライアン・ダーシー・ジェームズ
★★★★★ 過小評価されている素晴らしい映画
映像や配色が美しく、映像体験として傑出している。また、華美な演出を廃したリアルでドライな都会の環境音が殺伐とした主人公の心情や境遇に重なり良い効果をもたらしている。本作は”映画”というよりどちらかとえば1人称のドキュメンタリーとして捉えた方がよい。一人のホームレス男性が都会で生活する過酷さが嫌というほど味わえる。動物かゴミクズのように粗末に扱われ、人間としての尊厳も認めてもらえない。。。。ほとほと社会というものが、いかに弱者を許容しないものなのかを味わえる素晴らしい作品だ。貧困問題や現代社会の問題に少しでも関心のある者なら必見の映画だ。逆に、派手なロマンスやドラマチックな展開などを期待すると肩透かしを食らうだろう。ストーリー自体は非常にフラットかつドライで終始ほとんど何ら起伏がなく、アメリカ映画としては珍しい構成となっているからだ。もしあなたが欧州映画に親しんでいる方なら、福祉や貧困問題等に関心がなくてもある程度楽しめることと思う。
★★★★☆ 評価が分かれる
あのリチャード・ギアがホームレスに?と思い、大した期待もせずに見始めた。結果、そのリアルさにどんどん引き込まれていった。ただ、無理な人は始めの5分でギブアップだろう。ほとんど抑揚がなく、淡々しているし、起承転結も曖昧。つまらないと言う意見ももっともだと思う。ただ、何気ない表情やしぐさが、演技に見えない程、生々しい。なぜあんなにリアルなのかと思ったら、あの格好でカメラを遠まわしで撮影したそうで、リチャード・ギアだと知らずにピザをあげた女性がいたんだとか。興行的な事を考えたら、もっと違う展開にいくらでもできたと思う。例えば這い上がって成功者になるとか、そこまで行かなくても最後で娘と和解してハッピーエンドとかにすれば、大衆に受けただろう。それを、敢えてせずに、徹底的にリアルに拘ったのだと思う。私的には、素晴らしい映画だと思った。
★★★☆☆ ただ淡々と眺める作品
主人公の背景については特別語られることなく、ホームレスになった諦めと自尊心との葛藤をただただ淡々と眺める映画です。まるでリアルなホームレス事情を垣間見ることのできるリチャード・ギアの演技もさることながら、アメリカのホームレス事情について特別主張することなく考えさせられる内容でした。最後は少しだけハートウォーミングな要素も演出しつつ、映画として成立しているなかなかの良作です。
作品の詳細
作品名:ロスト・イン・マンハッタン 人生をもう一度 |
原作名:Time Out of Mind |
監督:オーレン・ムーヴァーマン |
脚本:オーレン・ムーヴァーマン |
公開:アメリカ 2015年9月11日、日本 劇場未公開 |
上映時間:122分 |
制作国:アメリカ |
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