血と暴力に溢れたバイオレンス・アクション!
ストーリー:19世紀末のオーストラリア。荒くれ者が移住者たちの社会を脅かし。血を血で洗う残酷な殺し合いが繰り広げられていた。そんなある日、悪名高きバーンズ兄弟の次男チャーリー(ガイ・ピアース)は警部から「死刑される弟を助けたくば、兄アーサー(ダニー・ヒューストン)の首を引き渡せ」と持ちかけられ、兄が弟か選択を迫られた彼は、さまざまな葛藤が渦巻く中、兄が逃げた荒野へと旅立つのだが・・・。
出演:ガイ・ピアース、ダニー・ヒューストン、エミリー・ワトソン、レイ・ウィンストン、デビッド・ウェナム、リチャード・ウィルソン、ジョン・ハート
★★★★★ オーストラリアの開拓時代
『欲望のバージニア』に続き、見ました。こちらでは、欲望の方で悪者役だったガイピアースが、詩的な役でした!すごいです・・・舞台はオーストラリアの開拓時代で、先住民のアボリジニ―に対するイギリス人たちのふるまいも描かれています。監督のヒルコート氏、ガイピアース、それから脚本と音楽のニック・ケイヴもオーストラリア人です。ヒルコート氏は、この時代を描かねば、と思った、とメイキングで言ってました。一つの苛烈な時代が、ここに、なるべく真に迫った描写で、描かれている感じします。観終わって、どうしても忘れられず、確実に真実たるべきダイヤモンドとか硬質の金属のような存在感を感じさせる、傑作だと思います。詩的という点では、ペキンパーの『ガルシアの首』を思い出しました。
★★★★★ 詩的でワイルド
1880年代、初期移民時代オーストラリアのアイルランド系ならず者三兄弟の物語です。長男アーサーバーンズはイギリス系一家を惨殺して逃げてしまします。次男のチャーリーと三男のマイキーは当局に逮捕されますが、当局責任者のキャプテンスタンリーは次男にある提案(Proposition)を持ちかけます。それはチャーリーを解放し、長男のアーサーを殺させるものでした。クリスマスまでに実行されなければ、三男のマイキーは死刑となってしまします。二者択一を迫られるチャーリーは荒野をさまよい、兄を探すのでした。初期移民時代のオーストラリアの広大な赤い砂漠と、過酷な環境下の人々の暮らしがリアルでもあり詩的でもあり、又、イギリス人に恨みを抱くアーサーの異常とも言える復讐シーンやマイキーの拷問シーンなどは大いに暴力的でもあり、様々な要素が混在する稀有な作風だと思います。主役のガイピアースは『LAコンフィデンシャル』や『メメント』で好演したオーストラリアの俳優です。悲劇も喜劇もアクションも幅広くこなす役者で、この映画でも二者択一の中で苦悩する次男役を抑えた表現でみごとに演じています。日本では余り知られていないのが残念です。本編は地味な映画なので、日本では劇場公開されずDVDのみの発売となったようですが、掘り出し物の一作であると思います。
作品の詳細
作品名:プロポジション 血の誓約 |
原作名:The Proposition |
監督:ジョン・ヒルコート |
脚本:ニック・ケイヴ |
公開:オーストラリア 2005年10月6日 |
上映時間:104分 |
制作国:オーストラリア、イギリス |
製作費:200万ドル |
興行収入:500万ドル |
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