90年代初頭の南アフリカで活躍した戦場カメラマンチーム“バンバン・クラブ”の姿を通して戦場の真実を描く
ストーリー:1990年代初頭、内戦状態にあるアパルトヘイト末期の南アフリカで、グレッグ、ケビン、ジョアオ、ケンの4人の戦場カメラマンは次々と決定的な瞬間を捕えていく。グレッグは人間が炎に包まれる写真でピュリッツァー賞を受賞し、命知らずな4人は「バンバン・クラブ」と呼ばれて注目を集める。グレッグに続き今度はケビンが、スーダンで飢餓状態の少女とハゲワシを撮影した「ハゲワシと少女」という写真でピュリッツァー賞を受賞するが、その写真は「報道か人命か」という議論を巻き起こす。刺激的な被写体を求め続ける4人は、次第に精神のバランスを崩していき・・・。
出演:ライアン・フィリップ 、テイラー・キッチュ、ニールス・ファン・ヤーレスヴェルト、フランク・ローテンバック、マリン・アッカーマン、パトリック・リスター、ラッセル・サヴァディエール
★★★☆☆ それなりに
90年代初頭の南アフリカ共和国で、ANCとインカタの争いの報道しているカメラマンチームの話です。グレッグは最初フリーで活動していましたが、スター社のカメラマンチームと現場で出会い、スター社に自分の写真を買ってもらったことから、チームに入ります。グレッグはその後、現地の人々が殺し合い、逃げ惑う姿をファインダーにおさめる仕事にとても充実感を覚え、のめり込んでいきます。そして、グレッグは、撮った写真でついにピューリッツァー賞を受賞します。しかし、政府のキャンペーンに使われていると批判されたり、黒人の血で稼いでいると批判されたり、パパラッチと茶化されたり、目の前の犠牲者を見殺しにしていると非難されたりします。そして、血なまぐさい闘争の渦中に身をおくうちに、痛みや苦しみとは無縁の、カメラを覗く側の世界から、カメラの向こう側の世界にある悲哀に飲み込まれ、次第に精彩を失っていきます。なかなかおもしろかったです。しはし、扱うテーマやジレンマはなかなかオモイので、とても映画一本におさまりきれないでしょう。そういう意味では、あまり深煎りしない、若干あっさりとした映画で、南アフリカ共和国の政治的背景については触れられず、おもにカメラマンの仕事に焦点が当てられています。
作品の詳細
作品名:バンバン・クラブ -真実の戦場- |
原作名:The Bang Bang Club |
監督:スティーヴン・シルヴァー |
脚本:スティーヴン・シルヴァー |
公開:アメリカ 2011年4月22日、日本 2012年3月10日 |
上映時間:108分 |
制作国:カナダ、南アフリカ共和国 |
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