絶望的な世界の中で描かれる父子の深い絆と愛情の軌跡に、誰もが魂を揺さぶられる
ストーリー:文明を失い、10年以上経つ。理由は定かではない。太陽は見えず、寒冷化が進み、動物も植物も次々と死滅した世界。僅かに生き残った人間も保存食を見つけるしか生き延びる手立てはない。そうしなければ、餓死するか自殺するか、さもなくば、理性を失った人間の餌食になるかだ。そんな荒廃した道なき道を、“父(ヴィゴ・モーテンセン)”と“子(コディ・スミット=マクフィー)”は、寒さから逃れるため、南を目指して歩き続ける。その道中、父は、幼い息子に、在りし日の世界や道徳観について話をして聞かせる。今の世界しか知らない息子が、理解しているか不明だが、寒さと飢えで極限になってなお、他人を助けようと務め、善き者であろうと心掛ける。父は、この天使のような息子を悲惨な現実から守ろうとする。息子は、父に僕が死んだらどうする?と尋ね、父は、お前が死んだらパパも死ぬだろうと答える。一緒にいられるようにと。それでも、父と子は“世界の終り”を旅する。人類最後の火を掲げ、絶望の道をひたすら南へ・・・。
出演:ヴィゴ・モーテンセン、コディ・スミット=マクフィー、シャーリーズ・セロン、ロバート・デュヴァル、ガイ・ピアース、モリー・パーカー、マイケル・ケネス・ウィリアムズ、ギャレット・ディラハント
★★★★★ 良い作品に出合いました。
ただ生き延びるためにではない、人間としての尊厳や証を捨てることなく、希望の見えない道をひたすら歩く。胸が締め付けられる言葉や場面がたくさんありました。
★★★★★ 本当にいい映画だけど、つらい
何らかの理由で壊滅して少数の生き残りが生きる為に殺しあう世界。普通だったらもっと活劇調にしてもいい。その方が娯楽映画として分かりやすく安心して見ることができる。しかし、この映画はそんな物には目もくれない。絶望的としかいいようのない世界、生きるために人間性を捨てるか?それとも諦めて死ぬのか?あくまで人間性を維持したままで生きることを選び、それを息子に伝えようとする父親の姿。絶望的な道だ。あーなんかうまく表現できない。とにかくすばらしい映画です。モノトーンで描かれた絶望的な世界は、それでもどこか美しい。父子の愛情は本当に泣けてくる。父子が出会った老人や泥棒も本当に印象的で、彼らを見捨てる痛みが伝わってくる。『マッドマックス』とは正反対の映画、人食いが出てくるとは言ってもグロシーンはないので、そういうのが目当てな人にも無縁な映画。ただし、上に書いたような「痛み」が理解できる人にとってはすばらしい映画だと思います。
★★★★☆ 再度鑑賞するには覚悟がいる
詳細不明の自然災害で、人間を除く動植物がほぼ死滅した世界。当然、保存食料以外に食べる物はない。時間の流れと共に、食人に走る人間。その行為に走らなくても、相互不信から疑心暗鬼に陥り、殺し合う週末世界。母親は自ら死を選び、残された父と息子。息子は人の善意に望みをかけているが、父は絶望と猜疑心によって身をボロボロにさせていく。自然環境が何らかの事由により改善されない限り、いずれは食料も尽き、残された人類も死滅する運命にある。「人間は地球に嫌われている」という事実を突きつけた作品。再度鑑賞するには覚悟がいる。
★★★☆☆ うーん・・・。
この映画はどうかなぁ?私は最初に原作を読んでましたが「絶対に映画化は無理だろ」って思ってました。ナゼって小説を読んだ感覚では、親子の旅する世界はほとんど視界が利かない世界・・・。闇であったり、嵐であったり、幻覚かも知れなかったり・・・。そんな中を手探りで、感覚を研ぎ澄まして、恐怖と共に進む旅だからです。だから映画を見出したとたん『見えすぎるぞー』って気になって気になって・・・。まぁ、全く見えなくちゃ映画として成立しないし、しょうがないんですがね。しかし世紀末モノなのに、アクションもなければヒーローもいない。一発逆転も無ければ奇跡も起こらない。地球規模の大変動が起これば庶民はこうやって生きるしかないんだよね。せめて希望の火は消さないように。
作品の詳細
作品名:ザ・ロード |
原作名:The Road |
監督:ジョン・ヒルコート |
脚本:ジョー・ペンホール |
公開:アメリカ 2009年11月25日、日本 2010年6月26日 |
上映時間:111分 |
制作国:アメリカ |
製作費:2500万ドル |
興行収入:2700万ドル |
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