史上最強の武器商人と呼ばれた男
国際的な闇の武器商人の半生を描いた社会派エンタテインメント!
ストーリー:1980年、崩壊以前のソビエト連邦ウクライナから、ユーリー(ニコラス・ケイジ)は、自由の国・アメリカへ渡り、武器の密売に手を染めることになる。混沌とする世界情勢が追い風となり、彼はその独特の商才をもって世界中の政府を相手にするまでに昇りつめる。だが、“死の商人”として世界を操る彼の動向をかぎつけたインターポールのバレンタイン(イーサン・ホーク)が、刻一刻と彼を追い詰めていく。
出演:ニコラス・ケイジ、ジャレッド・レト、イーサン・ホーク、ブリジット・モイナハン、イーモン・ウォーカー、サンミ・ロティビ、イアン・ホルム、エフゲニー・ラザレフ
★★★★★ 見るべき作品
最後の結末で星5になりました。非常に勉強になります。武器輸出というアンタッチャブルなテーマを、ニコラス・ケイジの軽妙な演技力で見やすくしながら、最後は現代の世相を深く考えさせる良作だと思います。映像もほかの映画ではちょっと見られないタイプのリアリティ。登場人物の人生を見せているような作りにしつつ、視聴後には違うものをえぐっていると気づかされる独特の構成。これはより広い層に見てもらおうとする制作チームの使命感では。戦争ものやアクションもの、現実の紛争ニュースを見る目が今後、変わりそうです。
★★★★★ 明るく真面目でウィットとユーモアのある死の商人
この映画の死の商人は、別に陰謀を巻き起こしたりとか、世界戦争を巻き起こそうとしたりとかはしない。ごく普通に商品を持っていって売るだけ。ただそれだけ。商品知識が豊富で、ウィットに富んだ、ごく普通の優秀なセールスマン。コンパクトによくまとまりすぎている感じもするが、ラスト20分は壮絶な展開に絶句する。まさに「取るも地獄、取らぬも地獄」だった。この主人公は普通に恋をして、事業はそれなりに成功したが弟はちょっと明後日の方向に行き、偉い人にも気に入られて……と考えると、死の商人だって別に普通のセールスマンなんだとも思える。必要としている人に、必要な物を調達している。必要な人はそれを買う。需要がなければ、供給をしても意味がない。ただ、その商品が人を殺すことができるというだけで。この映画には主人公の人生を辿るためのごく最低限の情報しか出てこない。足りないことは自分の知識で補完するほかにない。だから人によって評価がかなり別れると思うけど、TVや新聞で冷戦に関する報道をリアルタイムで見ていたり、ベルリンの壁が崩壊した時のニュースのあの雰囲気を知っている世代ならば、これで十分なんだと思う。逆に、冷戦時代に産まれていなかった世代には描写が足りなすぎてリアリティがない軽薄な映画に見えることだろう。主人公のモデルの人は、あのあとどうしたのだろうか。きっと普通に商売を続けて生きていったんだろうなあ。今もご存命なのだろうか。
★★★★☆ 大国は常に敵を必要とする
自分たちで武器を撒いて、敵を作り出し、常に武器の需要を作り出す巨大利権。軍産複合体。その一端がこういう武器商人であろうこの映画と同じ様に武器商人と言えども、自国では普通に家庭を作って穏和に暮らしているんだろう。そう思うと人間の本質とは弱肉強食だと思い知らされる。形はどうであれ、支配する側と支配される側の縮図がこの映画の本筋とも思えた。いつまで経っても貧しい国が貧しいまま大国の餌食になってる様は、多くの平和に暮らしている人々が知るべきだと思う。なぜ弱い国がその状況に追い込まれているかを。そして願わくば、支配国が自浄出来るように大戦前の日本もそれに近い事があったと思う。そして今は隣国かそして、最後に主人公はこの世の地獄に堕ち、誰も幸せにならなかった。生きるとは何だろうか?
★★★☆☆ メッセージ性が強く、ストーリー性は弱い
武器商人の生活をリアルに描いた作品。売った武器により弱い人間たちが虐殺されていく様子を見、「自分には関係ない」と目を背ける主人公。その心中を思うと色々と思いがよぎります。ニコラスケイジが良い演技を見せてくれていました。果たして武器商人が悪なのか。戦争や虐殺とは・・・色々と考えさせられる内容です。映画自体もニコラス・ケイジの語りで進められていくので、ストーリー性はあまり感じられなかったです。その代り、メッセージ性は強かった。自分の生業のせいで家族に捨てられ、また亡くし、それでも武器商人を天職と呼ぶ男。事実に基づいた話だということもあり、また最後には製作者からの武器輸出へ対する示唆も見られ、世界に発信したいメッセージがよく表現された映画だと感じました。
作品の詳細
作品名:ロード・オブ・ウォー |
原作名:Lord of War |
監督:アンドリュー・ニコル |
脚本:アンドリュー・ニコル |
公開:アメリカ 2005年9月16日、日本 2005年12月17日 |
上映時間:122分 |
制作国:アメリカ |
製作費:5000万ドル |
興行収入:7200万ドル |
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