ドラマ

インテリア

整然とした家庭が静かに壊れていく・・・

家族崩壊というシリアスなテーマを扱っているが、無駄な効果音や音楽を排除し、喪失感、失意、コンプレックスを真摯に表現している。その暗く重苦しい物語で心に染み入り、心を探る。観ていて決して暗さに押し流されない傑作である

ストーリー:ロングアイランドの高級住宅地。30年連れ添った夫婦に突然別居話が持ちあがる。ショックで妻は自殺未遂し、3人の娘たちは愛人を作った父親を責める。しかし、夫の連れてきた愛人は不思議な魅力に溢れていて・・・。

出演:ジェラルディン・ペイジ、E・G・マーシャル、ダイアン・キートン、メアリー・ベス・ハート、クリスティン・グリフィス、モーリン・ステイプルトン、サム・ウォーターストン、リチャード・ジョーダン

視聴者の声【Amazonレビューより】

★★★★★ ウディ・アレンの作品としては異質で、重厚だが素晴らしい

ウディ・アレンの作品の中でも、極めて重厚で暗い映画である。登場人物は三人姉妹の家族と、父親の愛人、そして神父ぐらいである。両手に数えるほどの少なさだ。そして音楽はほとんど流れない。全般的に暗いトーンの映像が続いていく。そして、このシンプルさが、テーマの重さを逆に際立たせ、観た後、深い感動を覚える作品である。ゆっくりと家族が崩壊していくプロセスがある意味で残酷に描かれているが、ぐいぐいと映像に引き込まれていってしまう。それは通常、我々が直視することを避けている人間の本音をこの映画が描き出すことに成功しているからであろう。ウディ・アレンの作品としては異質かもしれないが、彼の名声をむしろ高めることに寄与する高質な作品であると思われる。

★★★★☆ とても重い作品

芸術家の心を上手く描いていると思います。芸術家というのは世間から見れば奇人・変人に見えるのかもしれませんが映画の中で娘が母親に言っていたようにこの世界には完璧すぎて合わないだけなのかもしれません。芸術家とは儚いものです。いくら才能があってもその時代の流れにあっていなければ認められなくて貧乏生活をしながら生きていかなくてはいけない。そして好評を得たとたんにメディアは大げさに書き立て周りからちやほやされたりする。普通の人間ならお金が入ってきて喜ばしいことだが芸術家にとってはこんなはずではなかったと考えるようになったり自虐的になったり悲観主義者のようになってしまいそれはそれで苦しいと思う。無駄な音楽を使わずにドラマチックに描けるのはウディアレンだからなせる業なのです。語りがとても深く、語りを楽しめる映画です。ウディアレンは映画監督としても優秀だと思いますが脚本もしっかりしているので小説家としてでもやっていけそうなくらい作家性を感じます。

作品の詳細

作品名:インテリア
原作名:Interiors
監督:ウディ・アレン
脚本:ウディ・アレン
公開:アメリカ 1978年8月2日、日本 1979年4月14日
上映時間:93分
制作国:アメリカ
製作費:300万ドル
興行収入:1000万ドル
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