ドラマ

アドルフの画集

画家を目指しながらも、やがてナチスドイツの独裁者となったアドルフ・ヒトラーの若き日の姿を描いた人間ドラマ

ストーリー:1918年のドイツ。第一次世界大戦終結後、ミュンヘンで2人の男が出会う。戦争に参加し、右腕を失ったマックス(ジョン・キューザック)は画家への路を絶たれ、今は画商を営んでいた。また戦地から引き揚げ画家を目指すアドルフ・ヒトラー(ノア・テイラー)だがその才能は開花せず、次第に政治運動に傾倒して行った・・・。

出演:ジョン・キューザック、ノア・テイラー、リーリー・ソビエスキー、モリー・パーカー、ウルリク・トムセン、ケヴィン・マクキッド、ピーター・カパルディ、ユディト・ヘルナーディ

視聴者の声【Amazonレビューより】

★★★★★ きわめて興味深い作品

ヒトラーが世界史上の大犯罪者であることに異論はない。ホロコーストの責任は決して消せるものではない。しかし、それは今現在の視点である。当時のドイツ人には英雄だったのだ。人類何千年の歴史の中で、大量虐殺の責任者はほかにも大勢いる。中国にも日本にもアメリカにも、ローマにも、ペルシャにも。またホロコーストに加担したのはヒトラーだけでない。ナチ党やSSに加わっていたのは、いま存命のドイツ人にだって大勢いる。しかし感情的に憎むだけでは、人類は進歩しない。様々なアプローチが必要だ。ハンナ・アーレントが書いたように、アイヒマン的サラリーマン官僚のメンタリティーがなぜ構成されたのか、こういったことを分析しなければならない。さらに歴史学的、社会学的に分析しないといけない。芸術も、これをたすける。この映画はそれに挑戦しているように思った。きわめて興味深い、野心的な映画だ。ストーリーはほとんどがフィクションだろう。しかしなぜあの人物が生まれたのか、その真相を明らかにするために、立体的に想像力を働かせている。芸術の視点からすれば、そもそも歴史に「真相」などない。かわりにストーリーがある。美がある。醜がある。いい映画だと思う。

★★★★☆ いい映画です

史実としては怪しい部分もあるのですが、調和のとれた佳作。独特のくすんだ色合いが美しい映像と共に、音楽が秀逸です。ノア・テイラーのヒトラーは、多くの俳優が彼を演じた中でも抜群に繊細なイメージ。そのせいか後に政権を掌握する男になるようには見えないものの、見た目に若くて頼りない風貌がなんとなく「放っておけない」感じでパラレル的に成立しています。ユダヤ人の画商という架空の人物を善人になり過ぎない微妙なラインで演じたジョン・キューザックもお見事。

★★★☆☆ 何処迄が本当かしりませんが。

ヒトラーが画家を目指して挫折したのは知ってます。数あるヒトラー映画の中でヒトラーのこの時期に焦点を当てた映画は観た事がなかったのでまずまずは楽しめました。ヒトラーの画家としての挫折の合間を付け込むかのように政治運動をさせようとする将校と、この後世界大戦を引き起こしてしまうヒトラーの進む「道」を変えようとするかの如く絵を描かせようとする主人公のやりとりを観ているとヒトラーに画家としての才能を!と思いたくなる。ただ史実からいうと画家にはならないので結末はわかっているものの、ラストの展開がどうも腑に落ちない・・・。個人的には続編でこの後の展開を観てみたい。

作品の詳細

作品名:アドルフの画集
原作名:Max
監督:メノ・メイエス
脚本:メノ・メイエス
公開:イギリス 2003年6月20日、日本 2004年2月7日
上映時間:108分
制作国:イギリス、カナダ、ハンガリー
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