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全世界、五感喪失

人類最期の瞬間、あなたは何を求め、感じるのか

嗅覚、味覚、聴覚、視覚、触覚、徐々に喪失していく五感。人類滅亡の危機に直面する様のリアリティー溢れる設定で、2011年のサンダンス映画祭で観る者を震撼させた本作。その斬新な映像世界は、世界的な天災と私的な恋愛の間にある緊張感を反響させ、愛し愛されることの意味を問い直す迫力の作品となっている。

ストーリー：徐々に五感を奪い去る奇病が、世界を恐怖と闇に陥れた。男と女は、運命に導かれるように出会い、愛を知った。人類がかつて経験したことのないその異変は、何の前触れもなく世界中を揺るがした。“SOS”と名付けられた原因不明の感染症が爆発的に拡散し、あらゆる人々の嗅覚を奪い去ってしまったのだ。その勢いは衰えることなく、感染者たちの味覚や聴覚を失わせ、人類は存亡の危機に陥っていく・・・。シェフのマイケル(ユアン・マクレガー)と科学者スーザン(エヴァ・グリーン)は、そんな極限状況のさなかにめぐり合い、奇しくも謎の病に冒されたまさにその瞬間、恋に落ちた。ひとつ、またひとつと五感を喪失し、世界が終わりを迎えようとしたとき、ふたりはいったい何を求め、何を感じ取るのだろうか・・・。

出演：ユアン・マクレガー、エヴァ・グリーン、コニー・ニールセン、スティーヴン・ディレイン、ユエン・ブレムナー、デニス・ローソン、アラステア・マッケンジー

視聴者の声【Amazonレビューより】

★★★★★　 観た後数日は夢に見る

イギリスの映画ですね。あらすじ紹介からして恐ろしげな映画ですが、実際に観てみると思っていたよりも遥かに恐ろしい映画でした。要は、世界中の人類が嗅覚、味覚、聴覚、視覚を順に失ってゆくというもので、そのリアリティが生々しく、あまりに真に迫って感じられ、まるで自分 の身にもそれが今起こっているかのように感じられるわけです。はじめはゆっくりと、しかしより急激に。「自分の身にも降りかかる」「それはいつ来るのかわからない」という待ちの恐怖から、「不意打ち」へ。それぞれの感覚を失うときに襲われる突発的な悲しみ、恐怖、憎悪。それらによって壊れてゆく人間関係。為す術もなくそれらの感覚が奪われ、人類にはそれに備える時間すら許されていません。次に何かが起こる、しかしそれはいつかわからない。嗅覚、味覚、聴覚、視覚を失った人間にできることは？視覚を失う直前に訪れる「幸福感」の意味は？劇中で繰り返されるセリフのように「それでも世界は存在し続け」、人々はその現実とどうやって向き合うべきか、を強く意識させられる映画ですね。観ている途中は面白くても観終わった瞬間に忘れてしまう類の映画もありますが、これは観た後もしばらく考えさせられる、そして自分が健康であるこ と、世界に変わりがないことに改めて感謝したくなる一本です。

★★★★★　無常

正直、感情移入できる場面というのは少ない。所詮、人間は動物の中の１つであり、五感が失われることによって、後付けでできた大脳新皮質が剥がされていくような感覚を持っていったように感じた。五感を失う前に感情が暴発する様が、理性を失った大脳辺縁系の動物性を感じさせる。我に返った後、日常を取り戻そうとしていくのだが、「喉元過ぎれば熱さ忘れる」ということを繰り返す、人間が人間であり、動物であることを示していた。作中やエンディングでも流れている、悲しげで優しさのあるあの音楽だけが耳に残った。

★★★★☆　五感の大切さを再認識。

「もし、人が”感覚”を失ったら？」というアイデアを基に製作されたもので、いわゆる”パンデミックもの”とは違います。(原因を解明したり、解決するというストーリーではない。)　”嗅覚”の喪失から始まり、当然最後は”…覚”ですが、さすがに最後のシーンは悲しくなりました。現実には起こり得ない病気だとは思いますが、発想はユニークで、”生きる”ことの意味を考えさせてくれる、そんな作品です。

★★★☆☆　感覚の消失という時系列な黙示録を語った映画

淡々と感覚消失イベントを時系列で述べていくスタイルの映画です。感覚がなくなっていく過程がまあ恐ろしい。原因はというと太刀打ちできないレベルで誰も解明できず、結局不明なまま感覚の消失が世界規模で進んでいきます。そんな　救いのない状態なのですが、感覚を失っても人類が皆いきなり死ぬわけではないので、うろたえつつ　最後の光明はやっぱ愛だわ・・・　な展開に持っていってたりします。後味としては　もし自分だったらどうなるだろうか？　を考えて絶望してしまう映画でした。

作品の詳細