英国新世代の鬼才が、文豪ドストエフスキー原作を映画化
ストーリー：内気で要領が悪く、存在感の薄い男サイモン（ジェシー・アイゼンバーグ）。会社の上司にも同僚にもバカにされ、サエない毎日を送っている。コピー係のハナ（ミア・ワシコウスカ）に恋をしているが、まともに話しかけることもできない。そんなある日、期待の新人ジェームズが入社してくる。驚くべきことに彼は、サイモンと全く同じ容姿を持つ男だった。何一つサエないサイモンに対し、要領がよくモテ男のジェームズ。容姿は同じでも性格は反対の2人。サイモンは次第に、ずるズル賢いジェームズのペースに翻弄され、やがて思いもよらぬ事態へと飲み込まれていく・・・。
出演：ジェシー・アイゼンバーグ、ミア・ワシコウスカ、ウォーレス・ショーン 、ノア・テイラー 、ヤスミン・ペイジ、ジェームズ・フォックス 、キャシー・モリアーティ 、フィリス・サマーヴィル 、サリー・ホーキンス 、クリス・オダウド、ジェンマ・チャン
★★★★☆ 時代を超えた普遍性がある主人公の悲哀。
前時代的な舞台設定に良く調和する、薄暗い雰囲気を全編に纏う不穏な作品。前半はコメディの要素が比較的強く感じられるが、混沌とした雰囲気の中で徐々にサスペンス色を強めていく展開に引き付けられる。不条理劇として「見た目は同じ・性格は正反対の二人が送る人生」から伝わる教訓は普遍的で、内向的な性格を自認する人なら身につまされる話でもあるのではと思う。正反対の二人を見事に演じ分けたジェシー・アイゼンバーグの演技を見ていると、同じ人間でも立ち居振舞いでこうも印象が違うものかと実感出来る。結末が少々解釈し辛いのが難点だが、独特の空気感漂う個性的な作品だ。
作品の詳細
| 作品名：嗤う分身 |
| 原作名：The Double |
| 監督：リチャード・アイオアディ |
| 脚本：リチャード・アイオアディ |
| 原作：フョードル・ドストエフスキー『二重人格』 |
| 公開：イギリス 2014年4月4日、日本 2014年11月8日 |
| 上映時間：93分 |
| 制作国：イギリス |
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