ドラマ

アルバート氏の人生

本当の自分は、タキシードの下に隠して生きてきた・・・

大女優グレン・クローズが、オフ・ブロードウェイで舞台版「アルバート・ノッブス」(シモーネ・ベンムッサ作・演出)の主 役アルバート・ノッブスを演じたのは1982年のこと。その演技でオビー賞を獲得した彼女は以来、「死ぬ前にこの役を大スクリーンで演じなければならない」という覚悟を抱き、この映画化実現こそが彼女の“ライフワーク”となって、プロデューサー、共同脚本家、主演女優として、実に30年以上にわたって夢の実現のために邁進してきた。彼女が監督を依頼したのは、自らも『彼女を見ればわかること』『美しい人』といった傑作でタッグを組み、「真に女性の気持ちを理解し、愛 する監督」と敬愛する名匠ロドリゴ・ガルシア。グレンの熱意と脚本の素晴らしさに惚れ込んだガルシア監督は、その依頼を快諾し、完璧なまでの美しさで映像化することに成功した。完成した作品は世界中で高い評価を集め、2012年のアカデミー賞では主演女優賞、助演女優賞、メイクアップ賞の3部門にノミネートを果たすなど、絶賛を浴びている。

ストーリー:19世紀アイルランド。モリソンズホテルでウェイターとして働くアルバート(グレン・クローズ)には、誰にも言えない重大な秘密があった。それは、“彼”が14歳の時からずっと、貧しく孤独な生活から逃れるため、男性になりすまして生きてきた“女性”であるという事実だった・・・。誰にも真実を打ち明けることなく、40年以上もたった独りで生きてきたアルバートだったが、ある日、ホテルにやってきたハンサムなペンキ屋ヒューバートに出会ったことで、固く閉ざされていた心の扉が開き出す・・・。

出演:グレン・クローズ、ミア・ワシコウスカ、アーロン・ジョンソン、ジャネット・マクティア、ブレンダン・グリーソン、ポーリン・コリンズ、ブレンダ・フリッカー、ジョナサン・リース=マイヤーズ、マリア・ドイル・ケネディ、ブロナー・ギャラガー

視聴者の声【Amazonレビューより】

★★★★★ グレン・クローズの女優力全開。

普通に生きることの重みがずっしりと心にのしかかる。どんな時代であれ、ささやかな願いを抱いてひたすらに日々を生きぬいている人々はいる。

★★★★★ グレン・クローズが何十年もかけてやりたかった作品

グレン・クローズがこの話で舞台をやってから30年間構想を練っていたという話を聞いて、内容がどうであれ観て見たいと思った作品だった。何十年もかけて練っただけあって脚本も素晴らしかったと思う。女性が一人で生きていくのが難しい時代。過去の悲惨な経験もあいまって、アルバート氏なりの人生の歩み方というのが淡々と綴られている。現代にも通ずるところは多々あると思った。男女平等と言われていてもそれはうわべだけなところがある。私もだし、他にも多く皆が経験していると思う。原作者は19世紀のアイルランド人だけど、フィクションだけれども現代ではありうる話かもしれない。でもこの現代でも性についてに語るのは難しい。それでもこの映画を今この時代に出してくれたことは大きいことなんじゃないかと思う。私は女性が一人で生きていくのがどれだけ辛いかを死ぬほど実感しているけど、それを特に語らせず、主人公の世界を見せることで淡々と語るというところで考えさせられた気がする。私は観たあとに考えさせられる映画が好きだ。観たあとに余韻が残り、考えるという映画が。私は女性で、女性として見たけど、男性側から見ても考えるところはあると思うし、性を超えた映画だとも思うからどんな想いをもってしても色々な思いを馳せることもできるとも思う。そう思うと深いなとつくづく思って考えさせられた。どの性であったとしても深く考えられる映画だと思う。誰にでも一度観てみて欲しいと思う作品だ。

★★★★☆ 男として生きた女性の話、というだけではありませんでした。

ここで描かれるのは、人が人として幸せに生きて行くことが妨げられてはいけないということでした。そして、時代と心無い人々に虐げられても、決して負けちゃいけないんだということを、静かに訴える映画でした。そして、そうした強い意志を持った人たちがいてこそ、社会は少しずつ変わって来たのだろうと、感じさせてくれる映画でした。うん。初めの方は物語の地味さに少し心離れかけましたが、見終わって・・・いい映画でした。

作品の詳細

作品名:アルバート氏の人生
原作名:Albert Nobbs
監督:ロドリゴ・ガルシア
脚本:ジョン・バンヴィル
公開:アメリカ 2012年1月27日、日本 2013年1月18日
上映時間:113分
制作国:アメリカ、イギリス、フランス、アイルランド
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