スリラー

アメリカン・サイコ

ブレット・イーストン・エリスの同名小説をもとに、若きエリート証券マンの狂気を描いた異色ドラマ

80年代ニューヨーク。社会的な成功をすべて手に入れた男パトリック・ベイトマン。彼は満たされない心を埋めるために、次々と殺人を犯していく・・・。『レス・ザン・ゼロ』のブレット・イーストンの問題小説『アメリカン・サイコ』は、ショッキングな内容から発売中止、そしてフェミニスト団体から非買運動まで勃発した。監督メアリー・ハロンは、原作をもとに出口を失った現代人の空白感と心の渇きをスタイリッシュな映像と、80年代バブル期を風刺した痛烈なブラック・ユーモアで描き、世界中から大絶賛された。

出演:クリスチャン・ベール、ウィレム・デフォー、クロエ・セヴィニー、リース・ウィザースプーン、サマンサ・マシス、グィネヴィア・ターナー、ジャレッド・レト、ジョシュ・ルーカス、ジャスティン・セロー、カーラ・シーモア

視聴者の声【Amazonレビューより】

★★★★★ ああ

ずオープニングでやられます。この監督、原作の雰囲気を完璧に再現しています。クリスチャン・ベールの虚無的ヤッピー感は映画館でこの映画を見てから約三年、ずーと僕の心の片隅に潜んでいました。絶対皆さん買いましょう。

★★★★★ 期待以上にハイセンス

ただの猟奇ものかと思い視聴を開始したが、想像以上のハイセンスさに大満足した。散りばめられたブラックユーモアにはどれかで絶対笑わせてやろうという気概を感じる。トイレでの一悶着は一番低俗だが間違いなく笑ってしまったし、個人的にはホイットニーヒューストンのくだりがツボった。展開にも一捻りありもうこれは映画として完璧に一段上の価値を創出している。クリスチャンベールには容姿だけで苦手意識を持っていたが、役柄の狂気さよりも役柄に憑かれたような狂気的な演技力には目を見張らざるを得なかった。間違いなく一流だと見直し、この作品自体、センスあるブラックな娯楽として完成しているのは断言できる。

★★★★★  好きです。こういう映画

内容が反モラル的だ、とかキャストで揉めてるとかで、映画制作前からかなり問題となっていた作品。一見、パトリックの妄想ネタ、と思わせておいて、ラストに実は現実に行われていたことであり、その事実ですら周囲は逃避しようとしている、まさに”アメリカン”サイコなのだ、と気付かされます。実際、この時期(2009年2月)になるまでみることは出来ませんでしたが、公開からほぼ10年を経過してもなお、この映画は秀逸だと思います。単に私の好み、ってのもありますが。話題にには事欠きませんでしたね。まずはスポンサーが次々と降りたこととか。(カルバン・クラインは下着をNG、ロレックスもクリスチャン・ベールが使用するのはNG、死体を詰め込む袋のコム・デ・ギャルソンがNG)そういうのを差し引いても、クリスチャン・ベールの演じるパトリック・ベイトマンの苦悩が時にコミカルに時にシリアスに展開してゆきます。個人の内面の狂気を描いた映画としては、満点に近いと思います。エリート(ヒッピー)の内面に潜む狂気が、実はコメディと紙一重であることもわかります。ヒューイ・ルイスやジェネシスについて語る姿は、まるでレクター博士のよう。単に、キャスト(今なら誰もが知ってるキャストが大勢出演している)に大物がいなかっただけ。『羊たちの沈黙』が絶賛され、なぜこの作品は酷評だったのか。それは単に、「羊〜」にはジョディ・フォスターというハリウッドの「聖女」が出演していたから。そういう表面だけの理由だと思います。ちなみにキャストですが、クロエ・セヴィニーはこの頃、自身のキャリアに不安を抱えており、インディ作品だけではなく、メジャー作品にも出演しよう、と考え始めた転機の頃の作品ですし、ジャレット・レトは今よりもっとやんちゃで撮影現場でもわがままいっぱいだったようです。そんな中、一人立派に存在感ある、息のあるキャラクターを演じたクリスチャン・ベール。イギリス出身ですが、完全になまりのないアメリカン・イングリッシュを語り、表情も肉体も、パトリックになりきっています。その後の彼の活躍は皆さん知っての通り。そういう点でみても、見る価値はある作品だと思います。

★★★★☆ 狂気に囚われた演技が印象的です

殺人に夢中になっている様はひどく哀れで、滑稽ですらあります。でもきっと、獣のように貪るその瞬間にしか彼は自分自身を感じられないのだと思いました。隣にいるのが誰なのか、クローゼットの中にあるのは誰なのか、まるで興味が無い人々。出口のない迷宮をさまよう主人公の次の犠牲者は果たして。

★★★☆☆ サイコパスでも、サイコシスでも、ぶっ飛んだ内容の映画

ずいぶん昔に見た映画。でも今見ても、やっぱりぶっ飛んでいる。サイコの示すものがサイコパスなのか、サイコシスなのか、当時もよくわからなかったけど、いま見直しても答ははっきりしない。まあ結末としては後者なんだとしても、その背景や時代的な流れにどちらにも振れそうな狂気性・脆さがあり、結局どちらになってもすっきりはしないし健康的でもない、もやもやした作品だ。ちなみに原作小説では細かなスプラッタ表現などがあったようだが、作品中では残虐シーンはあってもディテイルまで語るような描写は少なめで、どちらかといえば心理面が多く描出されていた。オススメしやすい作品ではないけれど、若き日のベイルさんの熱演に興味のある方はどうぞ。

★★☆☆☆ 原作を一読されることをお勧めします。 違った不気味さを味わえると思います。

映画としては悪くないと思うのですが、過去に原作を読んで強い衝撃を受けたので、それと比較すると少し表層的に感じました。 原作では、オーディオ機器の品番やその特性まで、微に入り細に入り記述する偏執性が、「空虚な不気味さ」を醸し出すのですが、映画ではそれをポピュラー音楽に代替しているため、「理解不能さ」が消失し、「理解されうるこだわり」に変わってしまっています。全体的に「分かり易く」なっています。 残虐な行為を淡々と繰り返す背景がわからない方が、なお一層恐ろしいと思うのですが。。。それにしても、これだけ証拠を残していても、周りが気がつかないのはいかがなものか?、というのは野暮なのでしょうかね。それとも、それこそ「アメリカ」社会の「サイコ」性なんですかね。

作品の詳細

作品名:アメリカン・サイコ
原作名:American Psycho
監督:メアリー・ハロン
脚本:メアリー・ハロン、グィネヴィア・ターナー
公開:アメリカ 2000年4月14日、日本 2001年5月3日
上映時間:102分
制作国:アメリカ
製作費:700万ドル
興行収入:3400万ドル
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