ドラマ

ハムレット

その恋は、王国と共に滅びゆく

これまでにもシェイクスピア作品の映画化を手掛けているケネス・ブラナーが、長年熱望してきた『ハムレット』に挑んだ歴史ドラマ。自ら監督、脚本、主演の3役をこなし、すべてのセリフをカットすることなく4時間を超える長尺で絢爛豪華に描ききる。

ストーリー:デンマーク国王が急死し、国王の弟クローディアス(デレク・ジャコビ)が即位する。しかしある晩、王子ハムレットの前に国王の亡霊が現われ、すべてはクローディアスの陰謀だと告げる。復讐を誓ったハムレット(ケネス・ブラナー)は愛するオフィーリア(ケイト・ウィンスレット)にさえ心を閉ざしてしまう。

出演:ケネス・ブラナー、ケイト・ウィンスレット、リチャード・ブライアーズ、ジュリー・クリスティ、デレク・ジャコビ、ブライアン・ブレスド、マイケル・マロニー、ニコラス・ファレル、ルーファス・シーウェル、ジョン・ミルズ、ビリー・クリスタル、ロビン・ウィリアムズ、ジュディ・デンチ

視聴者の声【Amazonレビューより】

★★★★★ ブラナーの重厚な演技の魅力

ケネス・ブラナーが演じるハムレットは、とても静かな男だ。感情を外に見せないよう押し殺し、「静かに怒る」姿の演技が、実に見事で、格好いい。序盤の静かさから、終盤の嵐のような怒りにいたるまで、ブラナー独自のハムレット像を堪能できる。脇を固める俳優陣も実力者ぞろいだが、中でもクローディアス役のデレク・ジャコビが素晴らしい。彼の演技を観た後は、他のクローディアスが考えられなくなるほど。時代を中世から近代に移しているのだが、この作品の世界観にうまく溶け込んでいて、ほとんど気にならない。一方で、演出家としてのケネス・ブラナーには若干気にくわないところもある。台詞を一言も削らないとか、変態的・・・と言ったら言い過ぎかもしれないが、マニアックすぎ。特に、『ハムレット』初見の方には長すぎて少しきついと思う。フォーティンブラス関係の仰天の演出も、おそらく全台詞を残したことで、最後のフォーティンブラス登場を唐突に見せないようにする必要があったからでは・・・と勘ぐってしまうのだが、あの「侵略」を挿入したおかげで、ハムレットの復讐劇から焦点がずれてしまうので、あまり良いとは思えなかった。とはいっても、絢爛たる舞台と、シェイクスピアの美しい言葉を4時間に渡って楽しめるのも事実。お勧めの「ハムレット」です。

作品の詳細

作品名:ハムレット
原作名:Hamlet
監督:ケネス・ブラナー
脚本:ケネス・ブラナー
公開:アメリカ 1996年12月25日、日本 1998年1月25日
上映時間:242分
制作国:イギリス、アメリカ
製作費:1800万ドル
興行収入:470万ドル
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