ロンドンの社交界を舞台に、“理想の夫”をめぐる淑女・悪女・賢女たちの人間模様をユーモラスに描く
ストーリー:1895年のロンドン社交界。自由気ままな独身生活を謳歌するアーサー卿(ルパート・エヴェレット)と知性溢れる進歩的な女性メイベル(ミニー・ドライヴァー)。そのメイベルの兄で政治家のロバート(ジェレミー・ノーサム)と美しく聡明なガートルード(ケイト・ブランシェット)は、誰もが羨む理想の夫婦だった。ある日アーサーの婚約者であったチーヴリー夫人(ジュリアン・ムーア)がロバートの「ある秘密」を持って現れたことで、二組のカップルの運命は思わぬ方向へ。“理想の夫”をめぐり、淑女・ 悪女・ 賢女が激しい火花を散らしあう・・・。
出演:ケイト・ブランシェット、ジュリアン・ムーア、ミニー・ドライヴァー、ルパート・エヴェレット、ジェレミー・ノーサム、ピーター・ヴォーン、ジョン・ウッド、サイモン・ラッセル・ビール
★★★★★ 本物の大人のコメディ☆
もう、すべてにすばらしい!100年前のイギリスを舞台の作品ですが(ワイルド原作)衣装から配役からせりふ、舞台からとても練り上げられて作られているので、見ている間うっとり!最初のイギリス上流階級の華やかさから一転してはらはらどきどきの人間ドラマ、最後はコメディ、演出の妙も堪能です!「時代劇」といえば、こうしたラブコメディはすくないのですごくうれしい。見ていて安心の、最後はちょっとハッピーになる映画。特にR・エヴェレットがすばらしい!ゴージャスで機知に富み、この時代の「伊達男」を地でいっています。イギリス的せりふの言い回しも彼だから。J.ムーアのにくったらしさも熟練した演技力ならでは。もともとお芝居だったのじゃないかと思うので、カメラワークやセットも少し舞台のようです。衣装も参考になります。カップル誕生の時のさりげない色調あわせも完璧、宝石も見たところその時代の本物を使っているようです。とにかく、イギリスファン、ラブコメファンにはたまらない映画です。
★★★★★ 原作はオスカー・ワイルドの戯曲「理想の夫」
原作は、オスカー・ワイルドの戯曲「理想の夫」。19世紀末のロンドン社交界が舞台なので、セットも衣装も豪華。ガートルート役のケイト・ブランシェットは細くて美しいし、夫ロバートを演じたジェレミー・ノーザムも、この時代の雰囲気にピッタリです。彼を最初に観たのは、たぶん「エマ」、そして、本作、次に出会ったのは「抱擁」でした。でも、この映画のキーマンは、何と言ってもルパート・エヴァレット扮するアーサー・ゴーリング卿。お洒落と小さなラブアフェアを楽しみ、何より束縛を嫌う男性を飄々と演じていました。彼の家に、父、親友ロバート、チーヴリー夫人、ガートルートが次々集まってくる場面は秀逸。執事も含めて、この場面が戯曲の真髄かな?!面倒なことに巻き込まれ頭を抱えながらも、決して深刻にはならず、でも、親友夫妻のために奔走するアーサー・ゴーリング卿の姿は面白かったし、彼と登場人物たちが交わす会話は楽しいです。悪女を演じたジュリアン・ムーアも適役だと思いますが、メイベル役のミニー・ドライヴァーが、アーサーが求婚するほど魅力的ではなくて、ちょっと残念です!!
★★★☆☆ お上品な上流イギリスのコメディ
コメディなのだが、古き良きイギリスの上流社会の、お上品で、どぎついセリフや過激な場面も無くて、非常にゆったりと上質な映画。でも、俳優陣のクオリティの高さ、脚本のテンポの良さで、案外に退屈しないで観た。ケイト・ブランシェットのクラシカルな優雅さが秀逸。決して「美女」ではないが、生半可な美貌なんか太刀打ちできない存在感を持っている。めがねを掛けても、キスをしても、上品。最後にキスをしながら足をばたばたさせているところが、かわいらしかった。ハーレクインの表紙を飾れそうなルパート・エベレットも、眼福だった。いつもは硬質な感じのジュリアン・ムーアが、意外なほど貫禄ある悪女っぷりで、なかなか素敵。
作品の詳細
作品名:理想の結婚 |
原作名:An Ideal Husband |
監督:オリヴァー・パーカー |
脚本:オリヴァー・パーカー |
原作:オスカー・ワイルド『理想の夫』 |
公開:イギリス 1999年4月16日、日本 2000年2月19日 |
上映時間:97分 |
制作国:イギリス、アメリカ |
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