ドラマ

ショート・カッツ

レイモンド・カーヴァーの短編を元に、10組の人々の日常の中に潜む非日常を鮮やかに描く

ストーリー:害虫駆除のヘリコプターが飛んでいる以外は、いつもと変わらぬロス郊外の住宅地。出逢いと別れ、愛と裏切り、生と死…など、喜怒哀楽を隠しきれない10組22名の日常が、複雑に絡み合いながら展開していく。そして、現実から少しズレてしまった日常は、やがて驚くべき結末を迎える・・・。

出演:アンディ・マクダウェル、ブルース・デイヴィソン、ジャック・レモン、ジュリアン・ムーア、マシュー・モディーン、アン・アーチャー、フレッド・ウォード、ジェニファー・ジェイソン・リー、クリス・ペン、リリ・テイラー、ロバート・ダウニー・Jr、マデリーン・ストー、ティム・ロビンス、フランシス・マクドーマンド、ピーター・ギャラガー

視聴者の声【Amazonレビューより】

★★★★★ 冒頭のヘリのシーンが好き

冒頭に殺虫剤をまくヘリの編隊が都市の上空を飛ぶシーンがあります。これがものすごくよく出来ている。このシーンだけで私はぐっと作品の世界へ引き込まれました。もう一つすごいところ。それは複数のバラバラの登場人物の視点が描かれ、それぞれのストーリーがちょっとずつ繋がっているところ。これが非常に面白い!某有名小説家は、この映画をみてインスピレーションを得、同じような複数視点の物語を書いたとか。アルトマンの傑作ですね。ぜひともご覧あれ。

★★★★★  人は皆、人生の囚われ人。

めくるめく万華鏡のような人間模様。アルトマンの世界を三時間たっぷりと堪能できる最高傑作だ。画面がはちきれそうな、みっしりと中身の詰まった映像とストーリーに酔いしれた。すべての登場人物の生き方がせつなく愛おしい。ジャズ・バーの最初のシーンとエンドタイトルのバックで流れる歌「人生の囚われ人」の歌詞が心にしみて泣きそうになる。私たちの日常は、ありきたりの出来事の繰り返しで過ぎてゆく。なのに、家族の中の他人である夫と妻のそれぞれの感情や反応は微妙にずれていて、それが思わぬ爆発の原因にもなる。出来事のほんの少しのタイミングのずれが、幸運を呼ぶかと思うと不幸のどん底に陥れることにもなる。そのずれを知らずに生きている私たちに、それをコントロールする術はなく、むしろずれを増幅する方向に行動してしまったりする。 レイモンド・カーヴァーの短編小説の魅力は、日常生活に潜む微妙なずれを抉り出し、私たちの前に投げ出してくれることにある。アルトマンは、そのカーヴァーの世界を芸達者な俳優たちによってリアルに映像化してくれた。 ウンベルト・サバの詩「ミラノ」に、こんな一節がある(須賀敦子の訳より)。「生きることほど、人生の疲れを癒してくれるものは、ない」人生に囚われ、馬鹿なことを繰り返し、大きな声で罵り合い、それでいて、何事もなかったかのようにまた、幸せな囚われ人に戻る。この世の厄介なことの原因はほとんど家族にあり、人生にある。しかし、その厄介な事から救ってくれるのもまた、夫婦であり家族であり、人生であるのだ。人生にショートカッツ、近道はない。地上のあちこちで右往左往する人間たちを、神は見ている。夜空に舞うヘリコプターを操縦するストーミー・ウェザーズ(荒れたお天気)という名のパイロットは、今夜もアルトマンとカーヴァーの代わりに地上の私たちを眺めている。

★★★★☆ 様々な人物たちの交錯劇

様々な個性あふれる俳優たちが様々な境遇の人物を演じ、そして登場人物たちが関わり合い物語を通して交錯していきます。とにかく俳優たちの演技が自然で、素晴らしい演技力を持った人達ばかりが出演しています。沢山の登場人物がいるのでその個々にストーリーがあり人生があり人間という生き物の複雑さを物語っていました。笑わせてくれたり悲しくなったり、時には驚かせてくれて3時間という長い映画ですが飽きずに観ることができました。ただ沢山の登場人物に加え、シーンの転換のペースが速いので物語についていけなくなることもあるかもしれません。僕自身2回観ていて1回目ではストーリーを追っていくのに必死でしたが、2回目では映画の全体像が見えてきてより深く映画を理解できたように思います。素晴らしい群像劇だと思います。

★★☆☆☆ もったいない映画

バニラやペパーミントなどのエッセンスを混ぜるととんでもないものになるのと同様、かのカーバーの珠玉の短編もこんなにごちゃごちゃにしてしまうと台無しだ。ほのかに漂う倦怠感や取るに足らない不都合さというものが彼の作品の真骨頂だったのに、ほんとに残念な作品だと思う。見どころといえばJ.ムーアの赤毛を振り乱しての熱演だけど、今となるとそんなに珍しくもない。こんなに名優を配してるのに、もったいない。

作品の詳細

作品名:ショート・カッツ
原作名:Short Cuts
監督:ロバート・アルトマン
脚本:ロバート・アルトマン
公開:アメリカ 1993年10月3日、日本 1994年10月8日
上映時間:187分
制作国:アメリカ
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