ドラマ

こわれゆく世界の中で

愛をこわす・・・それは真実の愛へと至る唯一の方法

ストーリー:ロンドンのキングス・クロス再開発地区。そのプロジェクトを担う建築家ウィル(ジュード・ロウ)は、ドキュメンタリー映像作家で美しい恋人のリヴ(ロビン・ライト)と、彼女の娘ビー(ポピー・ロジャース)と一緒に10年間家族同様に暮らしている。だが、リヴは心の病を抱える娘を持つ罪悪感から、心のどこかでウィルを拒み、距離を保っていた。お互いを強く愛し、惹かれあっているのに、心が触れ合えない・・・そんな閉塞的な状況の中、それぞれがそのことには触れないように生活を続けていた。そんな時、ウィルのオフィスに窃盗事件が起こる。新設したばかりのオフィス内にあったパソコン類一式が全て盗まれていたのだ。危険な地区にオフィスを構えたほうが悪い、とでも言いたげな警察の態度に業を煮やしたウィルはビジネスパートナーのサンディ(マーティン・フリーマン)と、夜のオフィスを自ら張り込みすることに。ビーのことでリヴとの仲がギクシャクしがちなウィルにとって、家を離れられることは救いだった。数日後の夜、見張りをしていたウィルは、オフィスに侵入しようとする少年の姿に気づき、後を追い、彼が住む共同住宅をつきとめる。そして、少年の身辺を探るうちに、少年の母親でボスニアから戦火を逃れてきた未亡人のアミラ(ジュリエット・ビノシュ)と言葉を交わすようになる。アミラの語る自らの過去や夢などを聞いているうちに、ウィルは彼女に心魅かれてゆく・・・。

出演:ジュリエット・ビノシュ、ポピー・ロジャース、マーティン・フリーマン、ジュード・ロウ、ロビン・ライト、ラフィ・ガヴロン、エド・ウェストウィック、ラド・ラザール、レイ・ウィンストン、ヴェラ・ファーミガ

視聴者の声【Amazonレビューより】

★★★★★ 父親になれないオトコと孤独な母親

それぞれに問題を抱えた人物が入り乱れることで、観る人によっていろいろな見方が出来る映画なのかもしれませんが、自分にとっては、これはまず「父親になれないオトコの物語」でした。そのオトコが、子育てに悩む孤独な母親二人、父親のいない子ども二人と関わることで少しずつ世界が変化して行く。観るたびに新鮮な発見があるような作品ではないかと思われます。長年同棲している相手とその連れ子の世界に溶け込めずに苛立ちを覚える建築家のジュード・ロウはまさにはまり役に見えますし、ボスニア難民の戦争寡婦を演じるジュリエット・ビノシュの繊細でリアルな演技には引き込まれました。秀逸な映像と音楽で、洗練された上質の語り口を持った作品だと思いますが、何より久しぶりに自作の脚本を問うたミンゲラ監督の人々を見るまなざしに深い愛情を感じます。主役級だけではなく、脇役ちょい役まできちんと描写され、それがスパイス・ミックスのようにドラマ全体として深い味わいを醸し出していると思いました。この素晴らしい作品を観るたびに、この作品が遺作となってしまったミンゲラ監督のことが偲ばれ、その急逝がつくづく残念でなりません。

★★★★★ 関わるということ。

問題のある子供を抱える母2人。パートナーである女性は、母娘の殻を作ってしまいながらも、男にそれを破って入るほどの勢いを持って関わって欲しいと心のどこかで思っていたはず。ジュード・ロウは、良い人なのに周りを傷つける男を演じさせたら最高にハマる人だと思う。パートナーとの会話のズレは、子育てに追われる女には痛いほど刺さる。一見優しいが、欲しい言葉ではないからだ。もう一方の母には、最初から男として関わることになる。日常に欠けているものが埋まることを願いながら。自分の取った行動がどんな形で波動となって広がるかの覚悟は彼には希薄だったろうと思う。原題は「Breaking and Entering」。こわれゆくだけではない、その先にあるものの見つけ方が描かれている。本当の愛とは何なのか、どこを捜せば見つかるのか。再開発が進みつつある、壊された街の中で、壊された故国からの移民たちの生き方とも関わり、恋人、親子、家族、民族、様々な関係を通して描かれている。主演3人の素晴らしさ、映像の美しさに浸りながら、関わることの痛みさえ堪能できる作品でした。

★★★★☆ 世界の中での、確かな幸せ。

私は、前情報なしでこの映画を見たのですが、さすがあの『イングリッシュ・ペイシェント』を監督した方です。全体が綺麗に纏まっていて、流れのスムーズな映画でした。編集と音楽の魔法で、不思議な気分で、感動的でした。見た後、エンドロール辺りで、涙が止まらなかった。「人を一心に愛すること」そんなメッセージを私は感じ取りました。母親にとっては、いとおしい子供を。男性にとっては、いとおしい女性を。ジュリエット・ビノシュが、本当の母親にしか見えない、良い演技をしています。ロンドンの街が幻想的で、美しかった。この「こわれゆく世界の中で」という邦題が素晴らしいと思いました。壊れゆく世界の中でも、私たちには愛する大切な人たちがいる。この世界で、私たちは生きて行く。そんな希望の感じられる、とても爽やかな後味の映画でした。

作品の詳細

作品名:こわれゆく世界の中で
原作名:Breaking and Entering
監督:アンソニー・ミンゲラ
脚本:アンソニー・ミンゲラ
製作:シドニー・ポラック
公開:アメリカ 2006年11月9日、日本 2007年4月21日
上映時間:119分
制作国:イギリス、アメリカ
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