故ダイアナ妃に受け継がれた華麗なる愛と悲劇の血脈
ストーリー:18世紀後半の英国。まだ17歳の美しい貴族の娘ジョージアナ(キーラ・ナイトレイ)は、母親であるレディ・スペンサー(シャーロット・ランプリング)から当時世界で最も裕福な貴族のひとり、デヴォンシャー公爵(レイフ・ファインズ)のもとへ嫁ぐことが決まったと聞かされる。だが年の離れた夫はジョージアナに一向に愛情を示すことがなく、ただ立派な男子の後継者を産むことのみを彼女に要求。社交界の華として人々から注目と羨望の眼差しを浴びながらも、彼女の心には孤独と苦悩ばかりが募るようになる・・・。
出演:キーラ・ナイトレイ、レイフ・ファインズ、シャーロット・ランプリング、ドミニク・クーパー、ヘイリー・アトウェル、サイモン・マクバーニー、エイダン・マクアードル、ジョン・シュラプネル、セバスチャン・アップルホワイト、ジョージア・キング、カミラ・アーフウェドソン
★★★★★ 英国貴族社会の窒息しそうな閉塞感に翻弄される公爵夫人の悲哀と絶望
この映画を見始めてすぐに、故ダイアナ妃と公爵夫人ジョージアナが重なって見え始めた。こういう息苦しさ、こういう権威の誇示や虚飾に満ちた生活に疲れた自由人ダイアナだったのではないかと。そこにはキーラ・ナイトレイの華がある美しさからの連想もある。名優レイフ・ファインズ演じる公爵の無慈悲さが際立っており、この映画の重厚感を醸し出している。配役・その演技・ロケーション・カメラワーク・ファッションや家具調度、どこも隙無くできていて完成度が高い。そして人間を幸せにしない英国貴族社会が,どのような価値、どのような日常から成り立っているのかをつぶさに知ることが出来る素晴らしい映画だと思う。
★★★★★ 女性は見るべきだと思う映画
今、まさに現代でもこのように男性が優位で女性は暴力やひどい扱いを受けても何も言えない立場にある国や宗教が生きています。先進国の仲間入りをした国ですら、一見わからないように、でも目に見えないところで今でも女性は差別されているところもあります。昔はそれがごく当たり前のことだったようです。美しく強いキーラ・ナイトレイが見ていてとても胸を打ちます。衣装や映像の美しさ、キーラ・ナイトレイ自身の美しさもありますが、内面から出る美しさが際立ちます。この時代なりに、彼女は彼女なりに自己主張をし、頑張ったのですね。女性として、見ても損がない映画だと思います。もちろん男性も。見ていて腹がたつ、怒りを覚える女性も多いでしょう。しかしこれは実話に基づいた話です。怒りを強さに変えて、自分を変えていくことを学びなおしました。
★★★★☆ ともに生きるということ
夫も妻もともに、互いをひどく傷つけ傷つけられて、憎しみや悲しみに疲れ果ててしまったとき、自分を傷つけた張本人に優しくされ、それが慰めになるという不思議。でも、それがともに生きるということなのだ。あんなに憎んだ夫の愛人の肩も慰めになる。あきらめの向こうで、ようやく至る境地。私の知る愛し方で愛していると公爵が言うが、人にはそれしかできない。
作品の詳細
作品名:ある公爵夫人の生涯 |
原作名:The Duchess |
監督:ソウル・ディブ |
脚本:ソウル・ディブ |
公開:イギリス 2008年9月5日、日本 2009年4月11日 |
上映時間:110分 |
制作国:イギリス、アメリカ、イタリア、フランス |
製作費:1300万ドル |
興行収入:4300万ドル |
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