『映画』25時 | Nothing But Movies

25時

たった1日で人生を変えられるか

刑務所行きを前日にひかえた麻薬の売人モンティ。服役、逃走、自殺。どれを選んでも未来はない彼が、最後の24時間をどう過ごすのかを描いた作品

ストーリー：ニューヨーク。麻薬の売人モンティ(エドワード・ノートン)は収監を明日に控えていた。刑期は7年。残された24時間、絶望を抱えながら、最後の自由な一日をどう過ごそうというのか。恋人・友人・父親との様々な問題にケリをつけなければならない。残りの24時間は刻々と過ぎてゆく。その時、彼のとった行動とは?

出演：エドワード・ノートン、フィリップ・シーモア・ホフマン、バリー・ペッパー、ロザリオ・ドーソン、アンナ・パキン、ブライアン・コックス、ミーシャ・クズネツォフ、ヴァネッサ・フェルリト

視聴者の声【Amazonレビューより】

★★★★★　最高です。

全く期待もしていなかった映画ですが・・・低予算でも、かくも良い秀作が出来るを証明した作品です。一人一人の俳優のキャラクター、脚本の良さを最大限に引き出し、セリフの一つ一つが重い。久しぶりに良い映画観ました。

★★★★★　人は悲しい

この映画、派手なシーンや演出を期待すると裏切られると思います。淡々とした経過と、ここぞという所で音楽の効果を使わない。冷たい感じの映像美が引き立ち、音楽効果が無い分、登場人物の感情が溢れ出るようで、ビックリしました。人は、大きさは違えど、ショッキングな出来事が自分の環境で起きると、過去を振り返り、後悔をする。自責の念にも駆られるんだなって思いました。人の優しさ、恐怖、怒り、尊厳、愛情や、滑稽さまでが表現されています。個人的に、エドワード・ノートンのしびれる雰囲気に毎回飲まれます。この映画でも、ポール・ニューマンのポスターの前を通り過ぎたエドワード・ノートンがあまりにもカッコよくて、どうしてこの人はこんなカッコいいんだろうって思ってしまいます。

★★★★★　超ダンディズム

「生きる」ということを問う映画だと思います。時代に関わりなく、一人の人生８０年をどのように生きるかという物語にルールはない。それをあえて現代のニューヨークを舞台に、一人の男を追うことで描いた作品。スクリーンからは溢れんばかりのダンディズム。女性向け映画とか子供向け映画とか若者向け映画とかいろいろあるなかで、この作品は間違いなく、「独立した男」のための映画だと思います。新たなバイブルを見つけることが出来ました。

★★★★☆　アメリカ人にしか理解し得ない物語なのだろうが、なぜだか共感も覚える。

何も知らずに見た。冒頭からしてグダグダとした会話が繰り広げられる。ここで無駄なことが好きな俺はぐっと引き込まれる。やがて明らかになってくるムショにぶち込まれる前日の男とその恋人、友人、父親たちのそれぞれの内実。実のところ、どうやらこれはアメリカ的なるものに対する寓意が満載のようだ。移民や9.11など日本人の自分には理解し得ないこともある。なんとなく朧気にだが、かつて栄華を誇ったアメリカが9.11以降の喪失とノスタルジーを、人生を台無しにした男に重ね合わせているのは分かる。終盤に西へ西へ救いを求めるのは、アメリカ人に深く刻まれたフロンティア・スピリットを意味するのだろうか。おそらく生粋の日本人の自分には理解し得ない物語なのだろう、だが哀愁ある空気にどこか斜陽国歌としての日本を重ねる自分もいる。

★★★★☆　結末は2通りある

戻れない過去から人は人生を再びやり直せるのかを問いている作品。過去の罪、愛、友情、親子の絆がそこに絡み合って、モンティの心を揺さぶります。ラストのシーンを見る限り、ただのハッピーエンドではない気がします。モンティは刑務所に入るのか、それとも逃亡するか、人によって捉え方は様々ですが、どちらも前途多難であることは間違いない。冒頭の傷だらけになっても、生きようともがく犬は、主人公の「これから」の姿でもあるわけです。

★★★☆☆　エンターテイメント性はまったくありませんが。

収監されるまでの時間、主人公の恋人や幼馴染、父親との絡みを淡々と描いています。ワンカットでセリフを言い合うシーンなんかは、とてもリアルで惹きつけられました。主演のエドワート・ノートンを始め、みんなの過剰さを抑えた演技が凄い。ただ、件名のようにエンターテイメント性はないので★３です。