ドラマ

ジェシー・ジェームズの暗殺

憧れを殺意へと変えた7か月、最大の崇拝者は、最も卑劣な暗殺者となった

それほどまでにブラッド・ピットを本気にさせた男・・・それが、合衆国史上もっとも有名なアウトロー、ジェシー・ジェームズだ。南北戦争(1861-65年)後、仲間を率い、25件以上の強盗と17件もの殺人を犯した重罪人でありながら、民衆からは英雄とさえ称えられた男。さらにその悲劇的な死が、ジェシー・ジェームズを今なお語り継がれる伝説の人物へと押し上げた。

ストーリー:ジェシー・ジェームズ。1880年代のアメリカでその名を轟かせた、合衆国史上最も有名なアウトロー。10もの州で法の番人たちにその首を狙われながら、ロビン・フッドのように民衆から愛された男。ロバート・フォード。当時、誰にもその名を知られていなかった19歳の臆病な野心家。ジェシーを心から崇拝する彼は、ジェシーの仲間となり、やがて友人となっていく。そして、アメリカで最も卑劣な男として記憶される、あの事件へと向かっていくのだった・・・。

出演:ブラッド・ピット、ケイシー・アフレック、サム・シェパード、サム・ロックウェル、ジェレミー・レナー、ズーイー・デシャネル、メアリー=ルイーズ・パーカー、ポール・シュナイダー、アリソン・エリオット

視聴者の声【Amazonレビューより】

★★★★★ 見る人によって印象が代わる

正直、最初はここまでいい作品だと思いませんでした。実話であることと、時代が古いことがその原因だったのですが、この作品は違いました。人間の「欲望」という普遍的なテーマにスポットを当てていて、スローなテンポがその欲望から始まる「狂気」の様を見事に表現しています。とにかくジェシーとボブの心境が良く理解でき、英雄を英雄のまま、卑怯者を卑怯者のまま終わらせていないところが素晴らしく思いました。見終わった後、凄く考えさせられるいい作品です。

★★★★★ 賛否両論

この映画に対して色んな意見があり賛否両論ですがこれは見る人の観点によりその人に取って名作または駄作になると思います。最初の30分あたりでこの映画の独特な雰囲気が理解ができれば名作になると思います。けっして派手さはありませんが人間心理が巧みに演じられ素晴らしい緊張感があります。ブラットピットの迫力ある演技がいつしかジェシージェームズそのものになったように感じられます、そしてロバート及び部下たちの心の葛藤どれも素晴らしいです。休日の深夜に独りでゆっくり見たい映画です。

★★★★★ サム・ロックウェルが好きなので・・・。

ブラットピット目当てでハリウッド大作を見慣れている人が見ると退屈でしょう。この映画はむしろ脇を固める人たちの演技が見ものです。ブラット・ピットもそれをわかって演じているんでしょう。むしろプロデューサーとしては大満足しているのではないでしょうか。『キャメロット・ガーデンの少女』や『マッチスティック・メン』『ギャラクシー・クエスト』のへたれキャラのサム・ロックウェルが好きなので、この映画でも、相変わらずいい味出しているな。これが演技なのだからすごいと思う。カメラの前で怯えた眼差しを黙ってできるのは。事実上の主演のケイシー・アフレックは『ラストキッス』で少し見たけど、実は多くの普通のアメリカ人が感情移入し易い役者になるのかもしれません。早く主演の『ゴーン・ベイビー・ゴーン』が見たいです。それから、音楽も控えめで抑制されていて素晴らしいと思います。『プロポジション 血の誓約』のサウンドトラック担当がよかったからの起用でしょうか。ニック・ケイブ&ウォーレン・エリスですが、ニック・ケイブは息の長いミュージシャンですね。終わりのほうの酒場のギター弾きは多分彼なんでしょうか。それにしても最後に少しだけ出てくるズーイー・デシャネルはキュートですね。歌うことも好きな彼女はこれからよく見ることになりそうです。

★★★★☆ ニック・ケーブの不穏な音楽!

ガラガラ蛇を腕に巻きつけたジェーシー・ジェームズは、ついには彼をしとめることになる敵か味方か分からない暗殺者の前で、いきなりナイフを取り出して蛇の二つの首を平然と切断したりするのだが、ここで私たちはジェーシー・ジェームズという男の底知れぬ冷徹と孤独を思い知らされる。人殺しの極悪人に詭計を巡らせて暗殺した兄弟が、その暗殺劇を舞台に掛けて金儲けしたりしているうちに世間はなぜか騙し討ちを卑怯と糾弾するようになり、兄は自殺、弟は暗殺されるという道行も、ジェーシー・ジェームズにおとらず不気味である。されど全篇を通じて流れるニック・ケーブの不穏な音楽こそ、この端正な美意識で統一された西部劇映画の隠れた主役だろう。死と狂気を内蔵したニック・ケーブのミニマル音楽は、そんな不気味な緊張を孕んだ静謐な画面を見詰める私たちを、ついにある緊張の頂点にまで連れて行き、その狭い密室で息苦しいまでの暗殺劇が爆発するのだった。表題役のブラッド・ピットとその兄役のサム・シェパード、暗殺者のケイシー・アフレックが好演している。

★★★☆☆ 文芸作品

西部劇なのに現代の映画を観ているようだった。ゆっくりゆっくりと話が進んでいく。じっくり時間をかけて丁寧に描いている。今までの西部劇のカテゴリーには収まらない。真面目で静かで綺麗な文芸作品のような西部劇。「西部の荒くれ男たち」の話ではない。ブラッド・ピットではその種の西部の荒くれ男の話は無理だ。こういう文芸作品だから演ずることができたのだ。

作品の詳細

作品名:ジェシー・ジェームズの暗殺
原作名:The Assassination of Jesse James by the Coward Robert Ford
監督:アンドリュー・ドミニク
脚本:アンドリュー・ドミニク
公開:アメリカ 2007年9月21日、日本 2008年1月12日
上映時間:160分
制作国:アメリカ
製作費:3000万ドル
興行収入:1500万ドル
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