生き馬の眼を抜くギャンブルの世界で、ナマの情報を売る男たち!
ストーリー:怪我でプロフットボール入りの道を絶たれた男・ブランドン(マシュー・マコノヒー)は、フットボール賭博の勝敗予想という才能に目覚めた。スポーツ賭博の“予想屋”は、顧客に情報を与えて手数料を稼ぐ商売。NYで予想会社を経営する初老の男・ウォルター(アル・パチーノ)は彼の才能に眼をつけ、高額のギャラで雇う。ウォルターに仕込まれたブランドンの予想的中率は80%を超え、富豪の顧客もゲット。スリルとカネの日々に人生の頂点を見る二人だったが・・・。
出演:マシュー・マコノヒー、アル・パチーノ、レネ・ルッソ、アーマンド・アサンテ、ジェレミー・ピヴェン、ジェイミー・キング、ラルフ・ガーマン、チャールズ・キャロル、ヴィーナー・スード
★★★★★ 不確実なもの、確実なもの、信じられるもの
2002年『サラマンダー』あたりから「肉体美」を武器にしだした感のあるマシュー・マコノヒー。この作品の直前に「立派な体を見てね」と言わんばかりの『サハラ』を撮っている彼。次はフツウのドラマに出演したいとやらで、立派な体も無駄にならず、ひざを痛めたフットボール元選手というはまり役で出演。スポーツ賭博を軸に人間ドラマが語られている。ウォルターは「自分を一番愛してくれている妻の存在」と「自分が信じられるのは妻だけという事実」を知り、一方ブランドンは「どんなに理論付けてみても賭けは時の運、不確実なもの」であることを思い知る。互いを必用とし、また必要とされる関係にまでなっていた3人の心が、少しずつすれ違いかみ合わなくなっていく過程は、本編を貫く賭博の話よりもずっとスリリングだった。繊細な心のひだをアル・パチーノ、マシュー・マコノヒー、レネ・ルッソが見事に見せてくれている。特典は「本物のブランドンとのインタビュー」以外は期待したほどのものはなかったけれど、「65歳アル・パチーノと36歳マシュー・マコノヒーの共演」という贅沢を見せてもらって感激。そして後味の良い作品だったことに感謝。
★★★★☆ アルパチーノ健在
ギャンブルは好きだけど深層心理で負けを望んでいる、という感覚はちょっと理解できないけど逆説的で面白いですね。いくら儲けが大きくてもこんな商売には付きたくないですねw
★★★☆☆ 何なんだろう、この映画は?
実話をヒントに、スポーツ賭博をテーマに据えたサスペンス・ドラマ。アル・パチーノ、マシュー・マコノヒー、レネ・ルッソが共演。うまく見せ場を作ってあり飽きはしないが、結局、監督が何をやりたかったのかは不明確だ。実話をヒントにしているということで、アメリカでは49の州でスポーツ賭博は禁止されているのだが、実際にはスポーツ賭博は一大ビジネスとして成立してしまっているトピックは興味深いものがある。予想屋として成り上がっていくブランドンの過程と、徹底した教育でブランドンを予想屋として育て上げていくウォルターを描く前半の展開、虚栄心を抱き天狗になっていったブランドンの予想が当たらなくなり、焦燥の色を隠せなくなっていき、ブランドンへの異様な執着を見せるウォルターとの対立を描く後半の展開、そして、最後のアメフトの一進一退のゲームの進行で予想が当るか外れるかをスリリングに見せる一番の見せ場といい、それぞれの見せ場はしっかりとしており、作りはよく出来た映画であると思う。ただ、本作は色々なことを同時に描いてはいるが、結局はどのエピソードにも収束せず、何を一番描きたかったのだろうという疑問が残る。スポーツ賭博の裏事情と言われればそれもそうだろう。ブランドンという青年が成り上がり、虚栄のために失脚し、苦渋を味わうという教訓物語でもあるだろう。ギャンブル中毒に冒されていたウォルターがブランドンという才能に賭けすぎたがために、その中毒がぶり返し、人生全てがギャンブルと化し、自身を崩壊させつつあるという悲しき親父の物語でもあるだろう。どれも満遍なくは描かれてはいるのだが、結局はどれがメインテーマなのかがわからない。もっと扱うテーマを絞り切れなかったものだろうか。実録ドラマとも何とも言い難い、中途半端な作品に仕上がってしまっている。
作品の詳細
作品名:トゥー・フォー・ザ・マネー |
原作名:Two for the Money |
監督:D・J・カルーソー |
脚本:ダン・ギルロイ |
公開:アメリカ 2005年10月7日、日本 2006年3月18日 |
上映時間:122分 |
制作国:アメリカ |
製作費:3500万ドル |
興行収入:3000万ドル |
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