ドラマ

アメイジング・グレイス

その歌が教えてくれた。愛で歴史を変えられると。

名曲「アメイジング・グレイス」の誕生秘話と、この曲に支えられながら生涯をかけて奴隷解放のために戦った政治家、ウィリアム・ウィルバーフォースの激動の半生を描く

200年の時を越えて歌い継カずれる名曲「アメイジング・グレイス」。作曲家不明のこの曲の誕生を知る者は少ない。本作は奇跡の歌の誕生秘話と共に、この曲に支えられながら歴史を動かした一人の政治家の偉大なる人生を描いた、実話に基づく物語だ。数少ない仲間を率いて奴隷解放運動に生涯を俸げた主人公ウィリアム・ウィルフォースを演じるのは、『ファンタスティック・フォー 』シリーズで主演をつとめ、本作の名技で新境地に辿り着き批評家の絶賛を浴びたヨアン・クリフィズ。彼の美しい妻に『エンジェル』『つぐない』でその魅力を開花させたロモーラ・ガライ。そしてアカデミーのノミネートを誇るアルバート・フィニ一、ゴールデン・グローフ賞を始めとする世界中映画祭の常連マイケル・ガンボンなど、英国屈指の名優たちが脇を固める。そして製作陣も一流スタッフが集結。

ストーリー:18世紀のイギリス。若くして政治家となったウィリアム・ウィルバーフォース(ヨアン・グリフィズ)は、イギリスの主たる収入源となっていた奴隷貿易に心を痛めていた。彼は現状を打ち破るべく、リーダーとして無謀とも思える闘いに立ち上がる。少数ながらも志を同じくする仲間に支えられながら活動を続けていたある時、気丈で美しい女性バーバラ・スプーナー(ロモーラ・ガライ)と出会う。恋愛に興味を持たな人だったが、お互いの人生観に深く共鳴し、情熱的な恋に落ちる。生涯の伴侶を得たウィルバーフォースはなおも闘い続けるが、想像以上の苦戦を強いられていた。そんな彼を支え続けたのは、師であるジョン・ニュートン(アルバート・フィニー)が、作詞をした名曲『アメイジング・グレイス』 。不屈の精神、夫婦の愛、そして豊かな旋律が、観る者に大きな感動を与える奇跡を起こすので‘あった・・・。

出演:ヨアン・グリフィズ、ロモーラ・ガライ、ベネディクト・カンバーバッチ、マイケル・ガンボン、キアラン・ハインズ、トビー・ジョーンズ、アルバート・フィニー、ルーファス・シーウェル、ユッスー・ンドゥール

視聴者の声【Amazonレビューより】

★★★★★ 素晴らしい映画です

DVDレンタルで何度か観ていた作品。プライムで配信されたので久々に観ましたが、やっぱり良い、素晴らしい映画です。最初観た頃は奴隷制の知識があまりなかったので内容が衝撃でした。(これを観てから奴隷制が出てくる映画を数々観ましたが、毎回苦しいです。なんて酷い歴史)見応えがありすごくしっかり作られた、隠れた名作だと思っています。終盤は涙が止まりませんでした。奴隷制に興味が無い人でも、ぜひ一度観て欲しい作品です。

★★★★★ 奴隷解放とアメージング・グレース

奴隷解放と言えばリンカーンやスノー夫人のアメリカ、、またアメージング・グレースの作詞者ジョン・ニュートンが奴隷船の船長から牧師になったことは知っていました。しかし、イギリスでの奴隷解放運動がどのようなものであったか、それにジョン・ニュートンがどのように関わったかについては全く知りませんでした。この映画でジョン・ニュートンは登場しますが、主人公は政治家で奴隷解放運動のリーダであったウィリアム・ウィルバーフォースとその友人で若くして首相となったウィリアム・ビットです。奴隷制度があたり前で、それに反対することが危険思想視される時代にあって、彼らは理想に燃えながらもそれに溺れることなく、現実的に妥協し、時には狡猾に振る舞います。映画を見る前はテーマがテーマだけに重苦しいものかと思いましたが、決してそのようなことはありません。特に映画の山場となる奴隷貿易禁止法案を通す場面は「そんなのありですか」と聞きたくなるようなものです。この映画では当時の奴隷の悲惨な状況はあまり描かれていません。もしそれを描けば奴隷制度存続を求める人々は極悪非道の悪人となり、私たちは彼らを悪役としてみるでしょう。しかし当時の多くの人々は奴隷制度の実態とそれを支えているのが自分たちであることを知らず。奴隷制度廃止を訴えたのはジョン・ニュートンのような直接それを見た人と、それに心を動かされた少数の人だけだったのです。現代には奴隷制度はなく、もしそのようなものがあれば強く反対すると言う人が多いでしょう。しかし本当にそうなのでしょうか。我々はただ見えていないだけではないのでしょうか。奴隷のように自由を奪われた人はどこにもいないのでしょうか。彼らの自由を奪って得られた利益や物と我々は本当に関わりがないのでしょうか。そのようなことを考えさせられた映画でした。

★★★★★ ウィリアム・ウィルバーフォースの勇気ある決断

18世紀の終わりから19世紀の初頭にかけて、イギリスで行われていた奴隷貿易に反対の声を上げた一人の勇気ある国会議員の苦悩と行動の記録を描いた物語です。当時イギリスが行っていた奴隷貿易は「三角貿易」と呼ばれるもので、西インド諸島から糖蜜を輸入してラム酒を作り、これをアフリカ西海岸に運び黒人奴隷を得て、西インドや南部の植民地に売り込むというやり方で多大の利潤を上げていた。これによって200万人以上のアフリカ人が奴隷として人身売買されたのである。西欧列強のそのような植民地政策によって、黒人がどれだけ犠牲になったのかは考えるだけでも恐ろしい現実だが、人を人とも思わず、非人間的な扱いをし、利潤のためには犠牲もやむなしという暗黒の商人たちの姿は、まさに悪魔の如きもので、大きな憤りを感じずにはいられない。確かに戦争というものはとても大きな悲劇だが、奴隷という黒人の人身売買を行い大きな利潤を上げた欧米列強のやり方は絶対の消すことのできない大きな汚点であったことは間違いないのない事実である。現在なお、白人と黒人、そして黄色人種の間には目に見えない偏見や差別が存在するのを実感できるが、当時の償いの気持ちを今この時、何らかの形で彼らに示してもらいたいと願うばかりだ。最後に主演の俳優が日本の岡田准一にとてもよく似ていて印象深かった。お勧めの作品です。

★★★★☆  ダニエル・デイ=ルイスの“リンカーン“と重なりました。

本作は、植民地政策全盛期の大英帝国が舞台ですが、今年観たダニエル・デイ=ルイス主演の『リンカーン』と重なる部分が多かったです。両作品とも、「奴隷制度の非人道的行為と解放」を訴えているものの、議会での舌戦など政争と根回しなどの工作がほとんど。アフリカから有無を言わさず英国に連れてこられ奴隷にされた人々の、「人間として扱われない」、観るに堪えない拷問や、農園で酷使されている様子を、映像で全く見せていません。この手法では、人の心を揺り動かす作品にはなり得ないような気がします。「奴隷貿易」という歴史上の負の部分に立ち向かう主人公の挫折と復活を描いた作品ですが、そこが物足りない感じでした。でも、主人公ウィルパーを演じた俳優ヨアン・グリフィズ良かったです。今、話題の人ベネディクト・カンバーバッチも出演していてビックリ!鑑賞後、改めて「アメイジング・グレイス」の和訳を読み、この美しい讃美歌に隠された深い意味を知りました。しかし、音楽というのは不思議ですね。意味も分からないのに、メロディーだけで感動し、涙が出るのですから・・・。

★★★☆☆ 奴隷制度反対を実現させた意思の強さ

一生を賭けて、自分の信じるところを貫く意思の強さ、自分の頭で考えて、正しいと信じられたからこそ貫くことが出来たのだろう。

★★☆☆☆ 実話には感動、映画としてはイマイチ

元になった実話自体は感動的だった。特に序盤で、主人公が政治家としての道より自然の美しさに魅力を感じ、世俗を捨てようと考えるあたり、非常に真っ当な人物なのだと感じて、好感を持った。ただ、映画としての出来はよくない。求心力が感じられないのだ。しかし、過去に奴隷制度を廃止し、全人類の人権確立のために尽力した方々には敬意を評したい。

作品の詳細

作品名:アメイジング・グレイス
原作名:Amazing Grace
監督:マイケル・アプテッド
脚本:スティーヴン・ナイト
公開:アメリカ 2007年2月23日、日本 2011年3月5日
上映時間:118分
制作国:イギリス
製作費:2900万ドル
興行収入:3200万ドル
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