ドラマ

SOMEWHERE

どうしてだろう、娘との時間が美しいのは

2010年 ヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞 ソフィア・コッポラ監督、待望の最新作!

『ヴァージン・スーサイズ』『ロスト・イン・トランスレーション』『マリー・アントワネット』に続く、ソフィア・コッポラ監督第4作。製作に父フランシス・フォード・コッポラ、兄ローマン・コッポラを迎え、また、音楽にはプライベートでのパートナーであり2011年に挙式が予定されトーマス・マーズが所属する<フォニックス>を起用した本作は、より深くソフィア自身の家族観やパーソナリティに踏み込んだ作品となった。

ストーリー:ハリウッドの映画スター、ジョニー・マルコ。彼はロサンゼルスのホテル“シャトー・マーモント”を仮住まいにし、
高級車を乗り回してはパーティーで酒と女に明け暮れ、まさにセレブリティらしい華やかな生活を送っていた。しかし、それらはいずれも孤独な彼の空虚感を紛らわすだけのものに過ぎなかった。そんな彼が大切にしているのは、前妻と同居する11歳の娘クレオとの親子の短いひとときだった。自堕落な日常を過ごす彼だったが、母親の突然の長期不在により、無期限でクレオの面倒を見ることになる。やがて、映画賞の授賞式出席のためクレオと一緒にイタリアへと向かうジョニーだったが・・・。

キャスト:スティーヴン・ドーフ、エル・ファニング、クリス・ポンティアス、ララ・スロートマン、クリスティーナ・シャノン、カリサ・シャノン、アマンダ・アンカ、エリー・ケンパー、ミシェル・モナハン

視聴者の声【Amazonレビューより】

★★★★★ 父親とは。

男がどんな職業であるかはこの際関係がないのです。ただただ娘を大事にする父親の姿に心打たれました。

★★★★★ 気に入ってます。

なんか独特のまったり感。スローな感じ。主人公のスターな感じは一切なく、その辺に居る兄ちゃんな感じと少し大きくなった娘のお話。不器用な主人公が大事な娘を想う気持ちの変化がまた感慨深く、その後がとても気になります。

★★★★★ 娘との日々

堕落した生活を送っていたジョニーが、娘と親子の時間を過ごす。ハリウッドスターの話ですが、誰にでも当てはまるような話です。疲れた時に、ゆっくりと見たい映画です。俳優の演技もすごく自然で、邪魔な説明もない、大げさな演出もない、凝った演技もない、うるさいBGMもない、ただただ日々の生活をそのまま切り取ったかのような素晴らしい映画でした。作り手の自己満足など一切排除したら、美しさだけが残った、そんなことを感じです。

★★★★☆ 心地よい退屈感

セリフよりは映像が語る作品。このあたりどちらかというとヨーロッパ的。でも映像のほうが雄弁ながらもセリフが極端に少なかったりせず、適度にあるので非常に観やすい。素晴らしいのはその映像が語るジョニーの生活ぶり。クレオが登場するまでのシーンは何もかもが虚しく映るのだが、登場するとそれまでが嘘のように一気に華やぎだす。そこから生み出されたギャップは作品の説得力を増す力になっていた。ストーリーだけ大まかに観ておき、あとは始まれば映像に身を委ねればいいだろう。描かれるのは心を通わせるというこの上ない喜びだ。

★★★☆☆  サークルから抜け出すこと

淡々とした映画のようでいて、実際はとても雄弁ですべてのシーンが必然だと感じました。車が同じ道を周り続けるファーストシーン、ポールダンスの回転、アイススケートのターン、プールでの折り返し、全てがサークルを表現していて、同じところを廻る、終わりがない、出口がない、お金持ちの俳優や監督の娘だけが持つのではなく、多くの人が日常に感じる閉疎感をそのための長回しで表現していました。常に外食かケータリング、ルームサービスで済ませていた食事も、ある日の娘のお手製料理や最後に自分で茹でる失敗パスタで、閉疎感から抜け出したサインにしていたり。全ての主人公の行動が、誰か(マネージャー、元妻)からの電話の指示によって決まっていたのが、自分の意思でホテルから(サークルから)抜け出すところ。ファーストシーンではカーブの道を走り続けていたのに、最後はまっすぐな道を自分の意思で進み、そして止めて歩く。全く、ぼんやりとしたイメージフィルムではない、ものすごく意図的で意思のある(意思がわかる)映画でした。

作品の詳細

作品名:SOMEWHERE
原作名:SOMEWHERE
監督:ソフィア・コッポラ
脚本:ソフィア・コッポラ
公開:アメリカ 2010年12月22日、日本 2011年4月2日
上映時間:98分
制作国:アメリカ
製作費:700万ドル
興行収入:1300万ドル
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