ドラマ

チャイルド44 森に消えた子供たち

実在の連続殺人事件をモチーフに、理想国家の闇を描き出した傑作ミステリー!!

ストーリー:1953年、スターリン政権下のソ連で、子供たちの変死体が次々と発見される。その死体には多くの共通点があるが、“殺人は国家が掲げる思想に反する”ため、すべて事故として処理される。秘密警察の捜査官レオ(トム・ハーディ)は親友の息子の死をきっかけに、事件解明に乗り出す。捜査が進むほどに、国家に行く手を阻まれ、さらに、愛する妻にも不当な容疑が。真実が歪められるこの国で、レオは真犯人に辿り着けるのか?

出演:トム・ハーディ、ゲイリー・オールドマン、ノオミ・ラパス、ジョエル・キナマン、ジェイソン・クラーク、ヴァンサン・カッセル、パディ・コンシダイン、チャールズ・ダンス

視聴者の声【Amazonレビューより】

★★★★★ ダブルでハラハラドキドキ

ところどころ話の流れや人物などわかりにくい部分があって、何度か見直した部分がありました。が、この映画は面白かったです。政権を存続させるために密告やでっちあげがまかり通る全体主義の怖さと、連続殺人の謎解きという2本立てのハラハラドキドキ。レオの妻ライーサの真意がつかめない部分も、この映画を面白くしていると私は思いました。

★★★★★ スターリン政権下のソ連世界の描写

スターリン政権下のソ連にあっては、理想国家であるから国内に犯罪は存在しないことになっていました。そこで少年らの連続殺人が起こりますが、列車による事故死として事実が隠蔽されます。主人公は最初はその取扱いに協力しましたが、のちに疑問を抱きます。そこで、事態が展開していきます。ダニエル・エスピノーサ監督は、猟奇殺人の告発と同時に、当時のソ連社会における非人道的体制に対する直接的な批判を成立させていると思います。

★★★★★ ホロドモール、ソ連の黒歴史

トム・ロブ・スミスの小説をリドリー・スコットが製作した、というネームバリューと「スターリン下の連続殺人事件」への興味から、ミーハー根性丸出しで観に行きました。恥ずかしながら、「ホロドモール」という史実をはじめて知りました。それ自身を語る映画ではありませんが、犠牲者数最大1450万人ともいわれる歴史上最大の「人口飢餓」、全体主義だからこそなし得た20世紀最大の「地獄」のひとつを、作者は私のような者達に知らずに死ぬなと言ってくれた気がします。「連続殺人は資本主義の弊害(=『社会主義では殺人は存在しない』)」というお題目から、真剣に捜査されず52人の犠牲者をだした連続殺人事件をモデルとし、この映画は体制から狙われてでも犯人を追及する捜査官を中心とするクライム・サスペンスとなっています。この映画で衝撃を受けるのは、「全体主義下の治安の歪さ」と「殺人の軽さ」だと私は感じました。スターリン政権下のソビエトは、自衛や報償のためにいとも簡単に人を売る「密告天国」でした。MGBの役人も、反体制派検挙のために無実の人間を逮捕・詰問し、「都合の良いタレコミ」を唆して次の標的を得る、という事を繰り返します。信頼関係や事実はもはや価値を持たず、「脅す側」「脅されて求められるがままの『供述』をする側」「おもねる側」しかいない腐敗し切った社会です。また、事件以外で人が殺されるシーンがいくつかありますが、銃殺のこれほどあっけない描写を私は他に知りません。オートマチック銃のハンマーを下ろし、トリガーを引く。パンという大きな音の直後に、今しがた泣いて怯えていた「元人間」が音もなく倒れる。主人公は部下の蛮行を殴って諌めますが、麻痺した人間にとって銃殺があまりに簡単で、命の重みなど無縁の世界を垣間みたらこんなに不快なんだ、と思い知らされました。私のレビューは本当に拙く作品の魅力を損ねるかもしれませんが、作品自体はサスペンスとして秀逸で、陰鬱な空気も独特な世界観を象徴的にさせています。最近、史実をもとにしたサスペンス系の秀作が続いています。「歴史を学べ/歴史から学べ」と説かれているような気がします。映画という娯楽で完結せず、題材となった歴史上の悲劇にも思いを馳せていただければ嬉しいです。

★★★☆☆ 何度か観ないとわからない・・・?

時代背景上、仕方がないとはいえ登場人物が同じ髪型・服装だから誰が誰なのか?を理解出来ないシーンが結構あって、1回目の視聴では完璧に理解出来ないと思うわ。ストーリーもよく練られてるし、役者も良い。けど、難解故に前半部分で観るの断念する人もいるかも。映画自体は決して悪くないけど、観る人を選ぶ映画ね・・・。

★★★☆☆ 原作未読です

このミステリー小説がすごいという触れこみだったので観てみましたが、「ミステリー要素としてすごい!」と思う部分はなく、淡々と物語が進んでいく感じであの触れこみはなんだったんだろう・・・?と思ってしまう内容でした。原作未読なので映画のみの感想になりますがあの人物とあの人物がつながっていて実はこういうことだったのか!とかそういう謎のようなものを期待していたので物足りなく感じました。

作品の詳細

作品名:チャイルド44 森に消えた子供たち
原作名:Child 44
監督:ダニエル・エスピノーサ
脚本:リチャード・プライス
原作:トム・ロブ・スミス『チャイルド44』
制作:リドリー・スコット
公開:アメリカ 2015年4月17日、日本 2015年7月3日
上映時間:137分
制作国:アメリカ
製作費:5000万ドル
興行収入:1300万ドル
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