スリラー

ブラック・スワン

美と狂気がせめぎあう衝撃的サスペンス

現実と悪夢の狭間をさまようにニナを演じるのは、入魂の演技で主演女優賞を総なめにしたナタリー・ポートマン。10ヵ月に及ぶ過酷なトレーニングで心身の限界点を自ら体現して見せた。ニューヨーク・シティ・バレエ団などの全面協力を得て、奇才ダーレン・アロノフスキー監督が描く残酷なまでに美しい光と影の衝撃的サスペンス!

ストーリー:ニューヨークのバレエ・カンパニーに所属するニナ(ナタリー・ポートマン)は、プリマ・バレリーナを目指し人生のすべてをバレエに捧げる日々を送っている。そんなある日、新シーズンの開幕を飾る「白鳥の湖」でついに主役を演じるチャンスをつかむ。しかし優等生のニナにとって、純真な白鳥だけでなく魔性と官能を象徴する黒鳥も踊ることは並大抵のハードルではなく、大役のプレッシャーと耐えがたい孤独感の中で自らの心の闇に囚われていく・・・。

出演:ナタリー・ポートマン、ヴァンサン・カッセル、ミラ・クニス、バーバラ・ハーシー、ウィノナ・ライダー、セバスチャン・スタン、トビー・ヘミングウェイ

視聴者の声【Amazonレビューより】

★★★★★ 病みを力に変えた。

大役に抜擢されるが、うまくいかないことから精神を崩していく主人公。妄想シーンがホラー映画並みに怖い。何かの精神の病気にかかったことは間違いない。しかしそれを治さず、それを自分の力へと変え、美しい踊りを披露できた。あのまま主人公は死んでしまうのかもしれないが、主人公にとってはこれ以上ないハッピーエンドだろう。バレエが好きな人にもホラーが好きな人にも、また何かひたすら頑張りたい人にも見てほしい。

★★★★★ いらいらのあとに味わうカタルシス

主役に抜擢された喜びを圧倒する重圧と、それに耐えてステージを成功させようとする執着心。そして自らの弱さを自覚しているが故に生じる、どこまでが現実でどこからが幻覚なのか判然としない、重圧と執着心のせめぎ合いから生じる周囲との軋轢。それらの表現に感じ入りながらも、実はヒロインの気弱な挙動や依存的な表情に次第にイライラが募っていく一方でした。それをきれいに覆したのは、終わり15分ほどからのブラックスワンのソロステージ。意識も無意識も総動員して弱さを乗り越え、自己の高みに上り詰めたヒロインの超越的な姿を目の当たりしたことで得られたカタルシスでした。

★★★★☆ 悲劇

うまく言葉にできません。道中のスプラッタな表現がきつく、時に過剰に見える演出には少し引きさえします。しかしラストの1舞台でそれまでの苦しみが解放される様子は、芸術のために死ねるかすなわち「史上最高の演技が出来るのなら死んでもいいのではないか」とさえ思わしてくれるラストには圧巻されました。

★★★☆☆ ナタリー・ポートの脳内幻想

「白鳥の湖」の黒鳥に着目した脚本に拍手。白黒で善悪、陰陽のコントラストがせめぎ合うので、これを2人のバレリーナで演じることも多いのである。劇中で様々な事件が起こるが、結局それは初の主役抜擢に苦悩するヒロイン、ナタリー・ポートの脳内幻想だったのだあ。

作品の詳細

作品名:ブラックスワン
原作名:Black Swan
監督:ダーレン・アロノフスキー
脚本:マーク・ヘイマン、アンドレス・ハインツ、ジョン・J・マクローリン
公開:アメリカ:2010年12月3日、日本:2011年5月11日
上映時間:108分
制作国:アメリカ
製作費:1300万ドル
興行収入:3億2900万ドル
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