ドラマ

告発の行方

『不法侵入』のジョナサン・カプラン監督が、ジョディ・フォスター主演で描いた法廷ドラマ。

若く小柄なサラがバーに入っていった。胸もと深くカットされたTシャツ姿の彼女に、多くの客が目を奪われた。酒をあおり、奥の部屋へと消えたサラを追うように、男達が続く。しばらくして、ジュークボックスからロックが流れはじめた。そのビートを全身で受け止めるかのように激しく、しなやかにサラは踊りだした。誘うようにセクシーなサラの踊りにこらえきれなくなった一人の男が引き込まれ、彼女を強く抱いた。次の瞬間、男はサラをピンボール・マシンの上に押し倒し、レイプしはじめた。誰一人、止める者はいない。それどころか周囲の男たちは暴行を煽り、それに乗じた二人の男がレイプに加わった!

この事件を担当したのは、女性検事補のキャサリン・マーフィ。エリートコースを歩む敏腕検事の彼女は、最初は単なるレイプ事件と考え処理にあたる。しかし、心に深い傷を負い孤独の中で彷徨い続けるサラの真の姿を知ったキャサリンは、つき動かされ、ついにうちふるえる勇気をもって立ち上がった。なんとキャサリンは、暴行犯だけではなくレイプを煽った男達を”暴行教唆”の罪に問う。だが、現実には多くの障害が横たわっていた。翻弄するかのような容赦ない絶望の荒波が襲いかかるなか、キャサリンは愛を信じ勇気をもって、ふるえる心をおし隠し最後の陳述をはじめた。

キャスト:ジョディ・フォスター、ケリー・マクギリス、バーニー・コールソン、レオ・ロッシ、アン・ハーン、カーメン・アルジェンツィアノ

視聴者の声【Amazonレビューより】

★★★★★ 隠れた名作

初めてこの作品を見た際、レイプシーンが衝撃的で心臓が止まるかと思うほど恐ろしかった記憶がある。それほどリアリティの有る作品だった。注目すべきは、なんといってもジョディフォスターの体当たりの演技である。のちに彼女は「この作品の主人公(サラ)の気持ちが理解できなくて困った」と言っていたようだが、それを全く感じさせないほどの演技は感心した。これほど真に迫った演技が出来る女優は日本では見当たらない。ストーリーも人間の弱さ、苦悩などが描かれている。ケリーマクギリスの熱演もいい。決して明るい映画ではないが、一度観たら忘れられない作品であることは間違いないと思う。

★★★★★ 対岸の火事と思うことはできない

アメリカでは6秒に1件、性的暴行が発生し、その4件に1件は集団暴行であるというテロップには、唖然とする。性的暴行の発生を止めるのが人として当然の行ないであるのに、自分ひとりではないという罪の意識の軽減に乗じて行為に及んだり、直接行為に及ぶのではなければ罪にならないだろうと場を煽ったりするという行動は許してはならない。女性が泥酔していたりみだらな格好をしていたりといわゆる常識の域からはずれると判断した場合、合意のうえであったと言い逃れができるであろうと性的暴行や場の煽動に及ぶのは、人権についての意識が欠如しているとのそしりを免れまい。この作品では、女性検事補が行為に及んだもの3人を暴行罪で、場を煽動したもの3人を教唆罪(暴行罪に処せられたひとりは実際に煽動により行為に及んだと察せられる)で有罪を勝ち取る。日本でも特に今世紀に入ってから集団暴行の発生が頻繁に報告されている。アメリカの社会はやはり暴力が多いな、と対岸の火事と思うことはできない。ショッキングな映像もあるが、青年期(18歳)以降のかたを対象に性にまつわる犯罪や人権について考えるあるいは話し合う場の提供としての鑑賞をお勧めしたい。

告訴の過程を通して被害者サラと女性検事補の間に仕事上の関係を越えたフレンドリーな気持ちが芽生えていく。最終弁論の日、待ち時間に、サラと女性検事補が星占いを話題に友情を交わす場面では涙した。サラが女性検事補に対しては仕事の成功や出世という高い期待を寄せているのに対してサラ自身に対しては「感情に左右された生活」という低い自己意識しか持てないことにやるせなさを感じたのだ。サラと女性検事補のおいたちや現在の生活の違いを示唆するエピソードも出てくるが、貧富の二極化の進んだ社会では、苦しい日常生活を強いられる者は低い自己意識を形成する状況ができてしまう。これについても人権の観点から配慮が必要であると思う。

★★★★★ ジョディの演技が素晴らしい

とにかくジョディ・フォスターのすばらしい演技に尽きる作品だと思います。マリファナ、酒、同棲とすさんだ生活で、一見あばずれだが占い好きの素直であどけない一面をもったサラを見事に演じています。女性検事補を演じるケリー・マクギリスは落ち着いた演技でさらにジョディを引き立てています。物語は、アメリカの抱える深刻な問題に一石を投じる内容です。自業自得ともいえる挑発的な態度をしてしまった女性と、腕力を使った卑劣で許されない行為をした男たち。証言が重ねられるにつれ、徐々に解明される事実が再現シーンで描かれていきます。なんともいえない複雑な思いを残しますが、映画ファンなら必ず見ておくべき作品だと思います。

作品の詳細

作品名:告発の行方
原作名:The Accused
監督:ジョナサン・カプラン
脚本:トム・トーパー
公開:アメリカ 1988年10月14日、日本 1989年2月18日
上映時間:111分
制作国:アメリカ
製作費:600万ドル
興行収入:3200万ドル
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