死刑執行まであと12時間、事件記者は男の無実を信じた
ストーリー:サンフランシスコ湾に臨む町オークランドのサン・クエンティン刑務所。フランク・ビーチャム(イザイア・ワシントン)は翌日の深夜0時1分、死刑に処される。6年前、19歳の白人で妊娠していたコンビニ店員を射殺した罪に問われて。彼が黒人であり、また世論の反発が強く、無実を訴えても道は開かれなかったのだ。その晩、当時事件を追っていた新聞記者ミシェルが事故で死亡し、急きょフランクの取材を任された先輩記者スティーブ・エベレット(クリント・イーストウッド)は、即座に無実の匂いを嗅ぎとり捜査を開始する・・・。
出演:クリント・イーストウッド、イザイア・ワシントン、ジェームズ・ウッズ、リサ・ゲイ・ハミルトン、デニス・リアリー、バーナード・ヒル、フランシス・フィッシャー、ダイアン・ヴェノーラ、マイケル・ジェッター、メアリー・マコーマック、マイケル・マッキーン、シドニー・ターミア・ポワチエ、ルーシー・リュー
★★★★★ コントラストの効いた傑作
ダメ男、ダメ夫、だらしない記者、そんなダメダメ人間を演技して、底辺における人間の真実の洞察力と正義への執念は、非常に対極的であり、この映画にコントラストとメリハリをつけています。音楽も、クリントお気に入りの「Lennie Niehaus」。クリントの映画は音楽がいい。『グラントリノ』もそうだったが、余計な音がない。淡々として、本質をいく作り方は、「傑作」ともいうべき。
★★★★★ 役者というより監督としての・・・
クリント・イースト・ウッドの監督としての才能に驚かされます。もちろん役者としても好きですが。『ミリオンダラー・ベイビー』然り、硫黄島からの手紙然り、人間味あふれる作品が多いですね。ああこの作品もウッドだったのかと思うほど、晩年意欲的に気になる作品を監督している事に感動もします。この映画はストーリーこそそこ、そこですが、監督としてのウッドの手腕で脚本以上に仕上がっているのではと思います。ひさしぶりに見る、ジェームズ・ウッズも楽しめましたww
★★★★☆ 哀愁のハードボイルド・ヒーロー
謎解き部分は御都合主義的展開もあったが、「魔のカーブ」の伏線など、割と丁寧な作りだと思う。何より主人公が魅力的。 主人公は独特の勘で真相に迫る敏腕記者だが、独断専行の一匹狼タイプなので職場では煙たがられている。仕事一筋で家庭を顧みない上、酒と女にだらしないので、妻からも愛想を尽かされかけている。この種の「仕事は一流だが家庭人としては失格」という、精神の中庸を欠いたマッチョ志向のヒーローは定番ではあるが、本作における人物造形は一捻りしてある。それは「老い」の要素である。真相を突き止める嗅覚を持つ一流記者を自負していた主人公だが、過去の手酷い失敗で、その自信も揺らいできている。「女にモテモテ」だと自惚れていたが、その神通力も最近は失われつつある。そして、今まで浮気を許してくれていた妻も・・・全てを仕事に捧げてきた男に漂う哀愁が胸を打つ。ラスト、一抹の寂しさを抱えつつも、勝利の余韻に1人静かに浸る主人公が格好良い。気丈に妻子を励ます死刑囚をイザイア・ワシントンが好演。饒舌で皮肉屋の編集長を演じたジェームズ・ウッズも少ない出番ながら存在感があった。『アリー my Love』のルーシー・リューがカメオ出演。
★★★☆☆ これもイーストウッドの魅力で。
あまり面白い筋書きとは思いませんが、イーストウッドが出ると、そこそこの映画に仕上がってしまう。さすがに何を演じても深みのある俳優ですね。
作品の詳細
作品名:True Crime |
監督:クリント・イーストウッド |
脚本:ラリー・グロス、ポール・ブリックマン、スティーヴン・シフ |
原作:アンドリュー・クラヴァン |
公開:アメリカ:1999年3月19日、日本:1999年12月15日 |
上映時間:127分 |
製作国:アメリカ |
製作費:5500万ドル |
興行収入:1600万ドル |
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