書物が禁じられた未来社会-読書の喜びを知った男の運命は?
ストーリー:徹底した思想管理体制のもと、書物を読むことが禁じられた社会。禁止されている書物の捜索と焼却を任務とする消防士のモンターグ(オスカー・フェルナー)は、偶然出会った可憐な女性クラリス(ジュリー・クリスティ)の影響で本の存在を意識し始める。やがて、活字の持つ魔力の虜となったモンターグ。だが、彼を待っていたのは、妻リンダ(クリスティ2役)の冷酷な裏切りだった・・・。
出演:オスカー・ウェルナー、ジュリー・クリスティ、シリル・キューザック、アントン・ディフリング、ジェレミー・スペンサー、アレックス・スコット
★★★★★ 『惑星ソラリス』と『華氏451』
幼稚な感想を書きます。同じ未来社会の暗黒を描いていても、『惑星ソラリス』が難解極まるのに対して『華氏451』の分かりやすさ。私は断然これに惹かれます。政治的経済的な拘束が前者を縛っていたことは想像できますが、それにしても観る者へのメッセージとそれを伝える方法は分かりやすくないとダメでしょ。曖昧な言葉と思わせぶりな形象を積み重ねる『ソラリス』に対して、『華氏』は言葉も形象も明晰。「難解=高級=芸術」に酔い痴れるヒマは、普通の市民にはあまりないんですからね。さらに、ヒッチコック映画を愛する者には、バーナード・ハーマンがつけている音楽がまたいいですね。文字通り『めまい』へのオマージュと思われるシーンもありますが、そこで流れる音楽がまたいい。映画(これも文字文化のヴァリエーションですよね)を愛するトリュフォーならではの一本。薦めます。追記 本は大事にゆっくり丁寧に読もうと思いました。
★★★★☆ ブラッドベリならではの叙情的なSF
読書が悪徳とされ法で禁じられた近未来世界を舞台にしたSF映画。そこではテレビが持てはやされ、深く考えることは独善と不幸を呼ぶとされる共産主義的管理社会。六〇年代の作品ということで映像は古いけど、ファッションやインテリア類がいまなお綺麗で驚かされる。特に女優たちはみんな人形みたいに細くて綺麗。脚本(原作も)が優れているので映画として観てもまったく古びた印象は受けない。叙情的な台詞回し、わくわくするような抜群の奇想の連続、根底を貫く鋭い社会風刺。天才ブラッドベリの力が遺憾なく発揮された一大エンターテインメントだ。
作品の詳細
| 作品名:華氏451 |
| 原作名:Fahrenheit 451 |
| 監督:フランソワ・トリュフォー |
| 脚本:フランソワ・トリュフォー、ジャン=ルイ・リシャール |
| 公開:1966年9月15日 |
| 上映時間:112分 |
| 制作国:イギリス |
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