ドラマ

KILLER/第一級殺人

1920年代に実在した第一級殺人犯カール・パンズラムの犯行の全貌を描き、全世界にセンセーションを巻き起こした問題作

ストーリー:1929年。米カンザス州北東部にある連邦刑務所に着任した信任看守ヘンリー・レッサー(ロバート・ショーン・レナード)は、信念と理想に燃えていた。そんな中、新たに送られてきた囚人の一人カール・パンズラム(ジェームズ・ウッズ)は、入所早々、冷酷な看守グライサー(ロバート・ジョン・バーク)から容赦ない仕打ちを受けていた。殴られて血だらけの彼を見かねたレッサーは、彼に1ドル札を差し入れる。職務を逸脱した夫の行動を知ったレッサーの妻エスター(カーラ・ブオノ)は、その身を案じた。一方、パンズラムは、レッサーに対する礼として、自分がこれまでに犯してきた凶悪な犯行の数々を文字にするから、それを新聞社に売れと申し出た。明らかな服務規定違反に、一度は申し出を断ったレッサーだが、好奇心も手伝って、ある夜、彼に紙と鉛筆を差し入れた。そこに記されていたのは、彼が犯罪者となるいきさつだった・・・。

出演:ジェームズ・ウッズ、ロバート・ショーン・レナード、カーラ・ブオノ、スティーヴ・フォレスト、エレン・グリーン、ロバート・ジョン・バーク、リチャード・リール、ハロルド・グールド、ジョン・ベッドフォード・ロイド、ジェフリー・デマン、コンラッド・マクラレン、レイノール・シェイン、ジェームズ・マータフ

視聴者の声【Amazonレビューより】

★★★★☆ 全人類に復讐を誓った人間

谷垣元法務大臣が死刑執行の感想を述べた際、「こんなに恵まれているのにどうしてこんなことをしたんだろう、と思った死刑囚はいなかった」と語ったのを見てこの映画を思い出しました。「人間を更正するためには殺すしかない」と豪語し、39歳で死刑になるまで22人(男女、子供合わせて)を殺害した犯罪者カール・パンズラム。理解者であり、信用を選んだユダヤ人看守レッサーに対して赤裸々に語った告白には自分の犯した過ちと、自分が受けてきた仕打が具体的に綴られ、当時の刑務所制度を「トラの赤子を散々痛めつけて、凶暴にしてから外に放つ」と批判するなど、碌な教育を受けなかったにもかかわらずカントやショーペンハウエルの哲学書を愛読するほどの知性がパンズラムにはあった。何かのきっかけがあれば彼には充分別の選択を選べられた、しかし、彼曰く「30年以上かけて今の俺になったんだ、一瞬で黒から白に変われるわけがない」と語り、最初で最後の友レッサーに「アンタは不思議なヤツだ、俺ですら自分が憎いのに好きになってくれるなんて」と心情を吐露した時に、私たちが生きる世界の判断基準に矛盾はないのかと気づかされます。加害者と被害者の立場上において、被害者のほうに肩入れするのは必然であり報復を望んでもそれを咎めることは難しい、しかし映画の結末で「人はだれでも、一度は苦しむ人に手を差し伸べなければならない。その手は、あなたではなければ誰であろう? 今でないなら、いつであろう?」と語るレッサーに反論できるかできないか、自問自答してほしい、善と悪の二つで成り立つ、同じ一人の人間として。

作品の詳細

作品名:KILLER/第一級殺人
原作名:A Journal of Murder
監督:ティム・メトカーフ
脚本:ティム・メトカーフ
公開:1996年9月6日
上映時間:91分
制作国:アメリカ
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