ロシアの文豪トルストイの代表作を、神秘的なガルボ主演で映画化!
ストーリー:アンナ(グレタ・ガルボ)はカレーニン家に嫁いで10年近く、愛児セルゲイ(フレディー・バーソロミュー)さえも設けたが、夫婦の愛は冷たかった。ある時彼女はモスクワの兄の家を訪れて、ヴロンスキー(メイ・ロブソン)という若い士官と知り合いになる。アンナとヴロンスキーはお互いに心惹かれる思いを押さえ得なかった。兄夫婦の家庭争議を和解させてやったアンナが、ペテルブルグへ帰るため、汽車の車室へ乗り込むと、そこにヴロンスキーが隠れていた。それからペテルベルグで恋の日々が始まった・・・。
出演:グレタ・ガルボ、フレデリック・マーチ、ベイジル・ラスボーン、フレディ・バーソロミュー、モーリン・オサリヴァン、メイ・ロブソン、レジナルド・オーウェン、エリッヒ・フォン・シュトロハイム
★★★★★ Anna Karenina
スウェーデン出身で4度アカデミー賞にノミネートされた名女優グレタ・ガルボはクラーレンス・ブラウン監督のもと、生涯6作に出演しているが、その中でも、この『アンナ・カレニナ』のアンナ役は正に適役であろう。ブロンスキー役にオスカー男優のフレデリック・マーチ、キティ役に『ターザン』シリーズのジェーン役でお馴染みのモーリン・オサリヴァンと役者は揃っている。1910年代頃からの無声映画も含めて数多く製作され続けてきたが、やはり、ハリウッド映画としての『アンナ・カレニーナ』の最高峰は今作になるでしょう。よく、ビビアン・リー主演の同題と比較する方も多いと思うが、あれはイギリス映画ですので、また違ったよさがあり、私としては、どちらも鑑賞するのが一番だと思う。
★★★★★ 最高のアンナ
『アンナ・カレーニナ』は、ヴィヴィアン・リー、ジャックリーン・ビゼット、ソフィー・マルソーと、それぞれの俳優がガルボ版の後にリメイクしているが、一番後になって見たこのガルボ版こそ、私にとって最高のカレーニン夫人である。家庭を捨ててまで若き情夫のもとへ走る行為は非難されて当然のものかもしれない。現にガルボ版以外の映画作品ではその印象が強く残った。しかし、この最も古い『アンナ・カレーニナ』では、ガルボ以外の俳優の演技の素晴らしさもあり、アンナに充分共感することができると思う。愛のない針のむしろのような結婚生活によって、息子に精一杯の愛を注ぐことしか知らなかったアンナが、初めて自分を人間として愛してくれる人に出会い、半ば強引にその愛に引き寄せられていく。けれど息子への愛が、離婚を認めぬ夫と当時のロシア貴族社会が、アンナを第一級の淑女から、情夫の愛情のみを頼みに彼に縋りつく”嫌な女”に仕立て上げていく・・・是非見て欲しい一作です。
作品の詳細
作品名:アンナ・カレニナ |
原作名:Anna Karenina |
監督:クラレンス・ブラウン |
脚本:クレメンス・ダン、サルカ・ヴィアテル、S・N・バーマン |
公開:1935年8月30日 |
上映時間:95分 |
制作国:アメリカ |
製作費:110万ドル |
興行収入:230万ドル |
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