史上最悪の首相のせいで戦争勃発!? 抱腹絶倒の国取り合戦で上へ下への大騒ぎ!
ストーリー:財政難に陥ったフリードリア共和国。資金援助の依頼を受けた大富豪のティスデル夫人(マーガレット・デュモン)は、愛人のファイアフライ(グルーチョ・マルクス)を宰相をすることを条件に、大金2千万ドルの提供を承諾する。一方、隣国シルベニアの大使トレンティーノ(ルイス・カルハーン)は、不安定な政局を利用してフリードリアの乗っ取りを画策。相手の弱点を探るべく、チコリーニ(チコ・マルクス)とピンキー(ハーポ・マルクス)の二人をスパイとして送り込む。だが、万事お気楽なファイアフライはチコリーニを気に入り、彼を陸軍大臣に任命する始末。さらに、トレンティーノを前に、ファイアフライが言い放った挑発的な言葉から、両国は全面戦争に突入してしまう!
出演:グルーチョ・マルクス、チコ・マルクス、ハーポ・マルクス、ゼッポ・マルクス、マーガレット・デュモント、ルイス・カルハーン
★★★★★ 第二次世界大戦直前の空気を狂気じみた笑いで写し取った傑作
マルクス兄弟の最高傑作とされる本作(1933年公開)。前半のドタバタギャグが素朴過ぎて乗れなかたっので星をひとつ削るかどうかで迷ったが、中盤(開戦以降)のスピード感、機関銃のように連発するギャグ、そして最後の最後のギャグで大笑いしたので、星は満点付けた。最初の方だけ観てトロいなあ、と思う方はいるかもしれないが、ラスト30分の凄まじい狂騒感には呆然とさせられるはずなので、騙されたと思って最後まで観て頂きたい。表情と動きで魅せる無言キャラのハーポのドタバタは、まだモノクロだった頃の初期ミッキーマウス(「蒸気船ウィリー」が1928年公開)に通じる楽しさと躍動感があるし、兄弟それぞれがキャラ立ちした役を演じる点は日本のドリフターズへの影響も感じられる。そんな風に様々な作品や後進達の名前を引用したくなる作品だが、でもやはりこの狂気じみたドタバタギャグの世界は、結局マルクス兄弟にしか作れなかった無比のものだ。1933年はヒトラーが政権を取り、日本が国際連盟を脱退した年である。狂気が満ちつつあったその時代を狂気じみた笑いで表現したことで、この作品は歴史に残ったのだろう。
作品の詳細
作品名:我輩はカモである |
原作名:Duck Soup |
監督:レオ・マッケリー |
脚本:ナット・ペリン、アーサー・シークマン |
公開:1933年11月17日 |
上映時間:69分 |
制作国:アメリカ |
Amazonで探す |
Amazonプライムで視聴する(字幕版) |
Amazonプライム30日間無料体験を試す |
楽天市場で探す |