世界は今も盗聴されている
ストーリー:冷戦時代、[NSA=アメリカ国家安全保障局]は巨額の資金を投入し、電話やファックス、電子メールを傍受、盗聴するシステム“エシュロン”を開発した。当初はアメリカと敵対していたソ連を意識して軍事目的で作られたものだった。しかし今、そのシステムは全世界をアメリカの監視下に置くための盗聴組織へと変貌したと噂される。その“エシュロン”に技術提供をする民間企業は、施設の利用を許可され、産業スパイ活動を行っているというのだ。この[エシュロン]に技術提供をする企業[ウェンデル・クランショー社]の盗聴システム[タンブルウィード]に関する機密文書を偶然手にした民間の女性フランチェスカ。国家レベルの最重要機密を知ってしまった彼女は、たちまち[産業スパイ]に仕立て上げられ[NSA]と[ウェンデル・クランショー社]の標的となってしまう・・・。
出演:マイケル・パークス、マヤ・サンサ、アンドレア・ティドナ、ジェームズ・パークス、テレンス・ビーズリー、ブルース・マクガイア、マット・パトレージ、ヴィンセント・リオッタ、カーラ・カッソーラ、ジュリア・ベルナルディーニ
★★★★★ これは恐ろしい世界です。
NSAとはアメリカ国家安全保障局。NSAが主力となり携帯電話やインターネット、そして固定電話までをも盗聴・傍受してデータを収集蓄積してそれを軍事・経済目的に利用している組織がエシュロン。そのデータを偶然入手してしまった一般人の女性と、スパイ扱いされて聴取される彼女を助けようとする諜報員のストーリーです。わたしが恐ろしく感じたのがエシュロンというのが実際に存在する国家的な組織であって、実際にアメリカが中心となって複数の国が協力して通信の傍受を続けていること。それが軍事目的ではなく経済産業活動に利用されていること。その活動の多くがベールに包まれていることと、活動内容は知れば知るほどに恐ろしくなります。日本国内にも傍受施設があり、国民の会話が知らない間に傍受されていることを考えてから本作品を見ると寒気さえします。本作品中の機密文書を入手してしまった女性が拷問のような聴取を受けているシーン、情報を入手しているのが一般企業であるシーンはそれほど興味あるところではありませんでした。というのも、どうして現在の地位を投げ打ってまで彼女に肩入れするのかの描写が甘すぎたからです。ストーリーが展開するにつれ、逃げる諜報員のジェームズを応援していき最後はハッピーエンドを期待していました。見終わった後は脱力感と無力感でいっぱいです。「エシュロン」を知らない方は、いちど検索して予備知識を得てから見るとリアル感を得られると思います。
作品の詳細
作品名:エシュロン -対NSA網侵入作戦- |
原作名:The Listening |
監督:ジャコモ・マルテッリ |
脚本:イニーゴ・ドミンゲス、リカルド・ブラン |
公開:2006年 |
上映時間:104分 |
制作国:イタリア |
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