スリラー

アンチクライスト

あまりに衝撃的な内容と過激なセックス&バイオレンス描写で、全世界を賞賛と嫌悪の真っ二つに割った鬼才ラース・フォン・トリアーの問題作!

ストーリー:激しいセックスに没頭している最中に、幼い一人息子を失ってしまった夫婦。自責の念に苛まれる二人は遠く森の中の山小屋にこもり、悲しみと絶望を癒そうと試みるのだが、そこに待ち受けていたのは、彼らが救いを求めたはずの”自然”による、異常な現象の数々だった…。更に神経を病んでいき、精神が崩壊してゆく妻は、セックスによる傷はセックスでしか消せないとばかりに、病的なまでに身体を求める。それは殆ど逆レイプに近い営みだった。夫の努力の甲斐もなく、事態は更に悪化…。やがて極限の精神状態に達した妻は、夫の身体にある術を施し、自分の身体にもある行為を執り行う。果たしてのその行為、その真意とは?そして、現代のアダムとイブが、愛憎渦巻く葛藤の果てにたどりついた驚愕の結末とは・・・?

出演:ウィレム・デフォー、シャルロット・ゲンズブール

視聴者の声【Amazonレビューより】

★★★★★ 人間の醜さ弱さを突きまくる秀作!

ラース様には毎度ドキドキさせられますが、この方はきっと偏執的な要素を精神肉体のあちこちに貯めているんだと思います。それでなければ、こんなに人間を醜く歪んだ形で描き続ける事はないでしょう。『ドッグ・ヴィル』でも当時のきれいなニコルを散々痛ぶって、最後にはお返しで集団殺戮を決める、あの裏返る人間性を見事に描き切りました。このエデンの園をモチーフにした『アンチクライスト』は、デフォーとゲンズブールの2人芝居を徹底的にディテールで追い詰め、演じている方も唾と泥と汗が入り混じる、狂乱状態をよく耐えたなと思いました。私は普通の人間で良かった?・・!!

★★★★☆ 激しい夫婦の営みと凶変する妻

激しい営みの最中に幼い息子を事故で失ってしまった夫婦は、妻は神経を病んでしまった。葬儀の最中に倒れる妻。入院という形で治療を行うが、夫がセラピストであった為に、薬物では妻を治療出来ないと悟った夫は強引に退院させてしまう。自宅で治療を行うが、後・『エデン』と名付けられた森の中の山小屋で治療は継続される。泣くだけで生きる希望を失った妻に、セラピストの夫は治療を行うが、妻は次第に凶変していく。営みで受けた傷は営みでしか救えないとばかりに、夫の体を求める妻は、次第に夫の肉体を憎むようになる。そして自らの肉体も傷付け、精神を病んでしまった妻は、凶変し凶暴になる妻に追い詰められる夫は。作品は二人芝居で構成されている。妻に安らぎを与えるはずの自然は妻に幻覚を見せてしまう。また、幼い息子を失った悲しみのはけ口を夫に求めるが、夫はセラピストという立場上、妻を患者としか見ていない。夫の傲慢な態度に更に神経を病んでいく。夫との営みを憎む妻は、自らの性器をハサミで切断してしまう行為は痛々しい。作品では妻の裏の顔、幼い息子を虐待していた真実。そして宗教絡みの話で構成されている。この映画・ラース・フォン・トリアーの作品なので、爽やかな内容ではない。娯楽映画を求める方にはお勧め出来ない。ご覧になる場合には、ある程度の覚悟は必要でしょう。また、妻を演じたシャルロット・ゲンズブールの怪演は見事だ。

作品の詳細

作品名:アンチクライスト
原作名:Antichrist
監督:ラース・フォン・トリアー
脚本:ラース・フォン・トリアー
公開:デンマーク 2009年5月20日、日本 2011年2月26日
上映時間:108分
制作国:デンマーク、フランス、ドイツ、イタリア、ポーランド、スウェーデン
製作費:340万ドル
興行収入:740万ドル
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