僕にはいつでも夢があった
ストーリー:大恐慌に陥った1930年代。アイルランドからニューヨークに渡ったマラキ(ロバート・カーライル)とアンジェラ(エミリー・ワトソン)はそこで出会い結婚する。やがてふたりは5人の子どもに恵まれるが、マラキは仕事もなく、失業手当すら酒代に消えてしまう。末娘を亡くした一家は結局故郷のアイルランドに戻ることに。しかし、アンジェラの実家のある街リムリックも決して一家を優しく迎えてはくれなかった・・・。
出演:エミリー・ワトソン、ロバート・カーライル、マイケル・レッグ、キアラン・オーウェンズ、ジョー・ブリーン、ポーリン・マクリン、ケリー・コンドン、ロニー・マスターソン
★★★★★ みすぼらしいが…
世界恐慌の影響で、仕事がない状態のアメリカ、アイルランドが舞台の物語。この作品の中で語られる世界は、とにかく「みすぼらしい」の一言に尽きる。複雑な民族問題(IRAの名前が何度も出てくる。いまだ現代ですら決着していないイギリスとアイルランドの歴史的な悲劇といえよう)や、悪い人ではないのだが、気位が高いために、やっと仕事にありついても、すぐにやめるか、酒におぼれるかの父。とにかくみすぼらしさばかりが目に付く。確かにこの時代は「暗黒時代」ともいうべきだったろうが、主人公達はくだらないことでさえ、兄弟や友達と騒いだり、母を支えたりと、決して悲惨な状況に負けずに、必死に生きている。今の世の中は、仕事がないといえども、この時代に比べたら、まだまだましだろう。どんなに貧しくても、希望を失わなければ、必ずや光は差し込むものだ。そんなことを考えてしまう。民族問題や大不況など、暗い話題ばかりだらけの作品だが、その中にどれだけの光を見出せるかによって、この作品から受け取るメッセージも異なってくると思う。
★★★★☆ サバイバル物語
これは貧しくても家族愛や夢があれば、なんとか生きていく事は可能だという事を教えてくれるサバイバルの物語だ。出演者全員の演技がとても上手で自然だ。特にエミリ─ ワトソンの演技は本当にこれが演技かと思える程に自然で映画全体にいい味を出している。灰色がかった映像も美しい。貧しい事は惨めな事だが、この映画を観ると貧しささえも楽しそうだなんて思えてしまうから不思議だ。実際にお金で困った時や精神的につらい時など、この映画を観ると結構励まされるかもしれない。ドン底生活でも人間はなんとかして生きていけるものなんだなあと、この映画を観て思った。
作品の詳細
作品名:アンジェラの灰 |
原作名:Angela’s Ashes |
監督:アラン・パーカー |
脚本:ローラ・ジョーンズ |
公開:アメリカ 1999年12月25日、日本 2000年10月28日 |
上映時間:145分 |
制作国:イギリス、アイルランド、アメリカ |
製作費:2500万ドル |
興行収入:1300万ドル |
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