シェイクスピアの戯曲『タイタス・アンドロニカス』を斬新な演出で描いた愛と復讐のドラマ
ストーリー:ローマ最高の戦士タイタス(アンソニー・ホプキンス)はゴート族との戦いに勝利し、女王タモラ(ジェシカ・ラング)と3人の息子を人質に凱旋する。しかし、ローマでは亡き皇帝の長男サターナイアス(アラン・カミング)と弟パシアナスが帝位継承を巡り争いを繰り広げている最中で、裁定を委ねられたタイタスはサターナイアスを皇帝に指名し、自分の娘を嫁がせようとするのだが・・・。
出演:アンソニー・ホプキンス、ジェシカ・ラング、アラン・カミング、ハリー・J・レニックス、アンガス・マクファーデン、マシュー・リース、ジョナサン・リース=マイヤーズ、コルム・フィオール、ローラ・フレイザー、ジェームズ・フレイン
★★★★★ 西洋歌舞伎、様式美と悲劇
かくも残酷な作品は珍しいです。タイタスが良識として選んだ、その皇帝の理不尽、これが生涯をローマ捧げた忠義に対する見返りか。殺人、強姦、密通、陰謀、復讐がこれでもかと続き、最後はカニバリズム(人肉食)。キリスト教世界に在りながら、ありとあらゆるタブーを描いたシェイクピア、理性で馭しきれない<密かな願望を持つ深層心理>というものを作者は熟知していたと思います。しかし映画は様式美と斬新なモダン美が合い混ざり独自の世界を見せてくれます。理不尽というものへの価値観は歴史観、属する世界によって異なります。個人的な見解ですが、歌舞伎に於ける忠義と恋人同士、家族の絆の相克、最優先すべき主に殉じた人々の愛憎と相通じるものを感じました。アンソニー・ホプキンスの名演にうなります。密かに好きな作品です。
作品の詳細
作品名:タイタス |
原作名:Titus |
監督:ジュリー・テイモア |
脚本:ジュリー・テイモア |
公開:アメリカ 1999年12月25日、日本 2000年11月25日 |
上映時間:162分 |
制作国:アメリカ |
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