男は使命を帯びてニカガラグアに渡り、そして“独裁者”となった・・・
ストーリー:19世紀半ば、メキシコの独裁政権制圧に失敗したアメリカ兵士部隊。帰国後、ウィリアム・ウォーカー(エド・ハリス)が受けた次なる使命は、経済の拠点ながら政情不安な状況が続く小国ニカラグアの支配だった。“58人の不死隊”を率いて全土を制圧したウォーカーは、自ら大統領に就任し、ニカラグアを統治するが、あまりの横暴さに現地人のみならず、本国アメリカからも批判を受けはじめ・・・。
出演:エド・ハリス、マーリー・マトリン、リチャード・メイサー、ルネ・オーベルジョノワ、サイ・リチャードソン、ピーター・ボイル、ミゲル・サンドバル、キース・ザラバッカ、ゲリット・グレアム、リチャード・エドソン、ザンダー・バークレー
★★★★☆ コワかった。
凄いブラックユーモアです。内乱で混乱している国にアメリカ人が入り込んでいって独裁政治を敷く・・・というプロットだけだと、『地獄の黙示録』をなんとなく思い浮かべてしまいますが、あんな悲壮感はありません。もっとエグくて、テーマの深刻さとは裏腹にユーモラスで、悲惨な場面でつい笑っちゃうようなアンバランスさがあります。妙に明るいんです。でも、怖い。独裁者ウォーカーが一切表情を変えず、終始凍りついたような眼差しをしているのが、とても怖かった。背筋をピンと伸ばして黒い衣装に身を固め、ストイックなイメージなのも怖さを増幅させます。銃撃の中、まっすぐに歩いていっても弾が全然当たらないのも怖い。これは、エド・ハリスにしかできない役柄ではないでしょうか。冷静な顔をして、目の中に狂気を潜めた怖さ。彼ならではです。19世紀の小道具として、現代のものを配している演出が効いています。いろいろ見つけてみてください。「うっ気持ち悪い」と思ったシーンがありましたが、詳細は控えます。アメリカの正義と民主主義至上のスローガンを徹底的に皮肉った作品でした。
作品の詳細
作品名:ウォーカー |
原作名:Walker |
監督:アレックス・コックス |
脚本:ルディ・ワーリッツァー |
公開:アメリカ 1987年12月4日、日本 1988年12月23日 |
上映時間:95分 |
制作国:アメリカ |
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