バルセロナのアパートで暮らす多国籍の学生たち7人を描いた青春ラブストーリー『スパニッシュ・アパートメント』の続編
ストーリー:スペインでの学生生活から5年、あのグザヴィエ(ロマン・デュリス)が30歳になって帰ってきた。夢だった小説家への足がかりを掴んだ彼だが、ひょんなことからかつての留学生仲間ウェンディ(ケリー・ライリー)と仕事をすることになり、二人は次第に親密になっていく・・・。
出演:ロマン・デュリス、ケリー・ライリー、オドレイ・トトゥ、セシル・ドゥ・フランス、ケヴィン・ビショップ、アイサ・マイガ、エフゲニア・オブラスツォーワ、ルーシー・ゴードン、イレーネ・モンターナ、ジヌディーヌ・スアレム
★★★★★ チャラい
とにかくグザヴィエが理想の彼女を探すと言う展開なので、次から次へとナンパ師の如く恋人を変えるチャラい内容につき、うんざりしてしまう向きもあります。また余興の様なシーンが続き、いつになったら本題に入るのかと言った疑問を抱きながらの鑑賞になる為、全体的に冗長な感は否めません。しかしモデルのセリアと寝たいがために嘘をつき、駅でウェンディと別れるシーンは一線を画す秀逸なシーンとなりました。グザヴィエの浮気心を見抜いているウェンディは別れ際哲学的かつ印象的なセリフで彼を見送ります。その後絶妙なタイミングでベス・ギボンズの「ミステリーズ」が流れ彼女は涙を流しながら去ります。今までの冗長な展開を一蹴するこの出色なシーンに、一瞬で心を奪われてしまいました。肝心なところで引き締めるこういった手法は、やはりセドリック・クラピッシュの非凡さを映し出していますね。エンドロールでもこの曲は主題歌として流れますが、前作の主題歌レディオヘッドの「ノー・サプライズ」に勝るとも劣らない良い曲で、その選曲のセンスにも敬服してしまいました。
★★★★☆ матрёшка
前作、『スパニッシュ・アパートメント』を観ないと面白さ半減以下ですので、まずは前作を観ることをお勧めします。主人公グザビエとウェンディ、マルティーヌ達のその後は好き嫌いが分かれると思いますが、ウィリアムの成長は誰もが好意的に面白く観れると思います。私は前作も大好きでしたので前作を観た方にはお勧めします。
★★★★☆ 前作を上回る続編として稀少な映画
前作も大好きですが、この続編、期待以上でした。仕事への妥協や煮え切らない恋愛、愛への失望、日常へのイライラ・・・、20代から何ら変わらずじまいなのに、年齢だけは立派な数字。多くの30歳前後の世代が共感できる部分だと思います。前回を上回る、とした理由は、第一に主役のロマンデュリスが見事に凡人を熱演したこと。あの普通な外見と普通な言動、それをドキュメンタリーを観ているかのようなリアリティで熱演していました。さすが、といったところです。彼をとりまく友人たちの変化も、日本のトレンディドラマにありがちなわかりやすい飛躍とか堕落とかではなく、ありえる環境設定の中で、でも確実に内面が5年の月日分、成長している。そういう「普通」へのこだわりと「日常」を丁寧に描いたことで、こうした青春劇はとても価値が出てくるなあと思います。共感できる、笑える、切なくなる、いい映画だと思います。
作品の詳細
作品名:ロシアン・ドールズ |
原作名:Les Poupées russes |
監督:セドリック・クラピッシュ |
脚本:セドリック・クラピッシュ |
公開:フランス 2005年6月15日、日本 2006年5月20日 |
上映時間:130分 |
制作国:フランス、イギリス |
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