現職大統領一派による盗聴という、米政治史に残る汚点“ウォーターゲート事件”の真相を暴露した新聞記者コンビの実話を再現
ストーリー:1972年6月17日深夜。米民主党本部があるワシントンDCのウォーターゲート・ビルで、5人の不審者が不法侵入罪で逮捕される。この事件の裁判を取材し、弁護士が官選でない事実が気にかかった新聞記者ウッドワード(ロバート・レッドフォード)は、事件の背後に黒幕がいるのかどうか、同僚のバーンスタイン(ダスティン・ホフマン)と調査を開始。やがて謎の情報提供者“ディープスロート(ハル・ホルブルック)”に与えられたヒントから2人は、ニクソン大統領を支持する再選委員会の存在にたどり着く・・・。
出演:ダスティン・ホフマン、ロバート・レッドフォード、ジャック・ウォーデン、ジェイソン・ロバーズ、マーティン・バルサム、スティーヴン・コリンズ、ジェーン・アレクサンダー、ネッド・ビーティ、メレディス・バクスター、リンゼイ・クローズ
★★★★★ 硬派
まさに「硬派」という形容がふさわしい社会派ドラマ。余計な色恋とかドンパチもないけれど、緊張感が続いて飽きさせない。演技だけじゃなくカメラワークもすごくいいんだけれど、ひけらかさない程度に抑制されている。ウォーターゲート事件をよく知らない世代は、観る前にウィキとかでササっと全容をさらっておいた方がよいかもしれない。
★★★★★ アラン・J・パクラ監督。先に『アラバマ物語』を、後に『ペリカン文書』を監督
ウォーターゲット事件を暴いて、ニクソン大統領を辞任に追い込んだワシントン・ポスト。マスコミ記者の取材活動を、これだけ長時間に渡って描いた映画は稀有であろう。ひとつの情報への疑問をきっかけに取材を始め、次々と沸き上がる疑問。さらに取材を続け欠片を集めて、上司や社内プレゼンを行い、助言を得ながら取材を続行。多重の裏取り、時に引っかけによる話術を駆使しながら、事実というピースを集めて整理、系統立てながら、ジグソーパズルのようにはめ込んで全体像を浮き上がらせる。ただ、ディープ・スロートの存在がなければ、なかなか成し得なかったであろう。権力の不正腐敗を暴き公に知らしめることは、マスコミの大きなひとつの役割であり、本作品を視てマスコミ記者になった人もいるかもしれない。マスコミ記者に対するイメージは、今は知らないが、製作当時の時代ではアウトローであり、他の映画やドラマでも一般社会から外れた者として描かれたことが多いと思う。見方によっては、情報を漁るハイエナであり、強大な権力組織に対抗する編集会議も内容こそ異なれマフィアのように見えなくもない。ロバート・レッドフォードとコンビを組んだダスティン・ホフマンの変な演技(本作では通報女性への応対と腕引っ張り程度)は抑え気味。二人一組での外回りは効率が悪いと思ったが、役割分担で引っかけ話術作戦か。「10カウント内で電話を切れ」は実際の記者の伝統芸?着想は西部劇からか。
★★★★☆ メディアがまだ信じられていた時代の記念碑
ウォーターゲート事件を真っ正面から描き切った名作と昔は思っていました。レッドフォード、ホフマンかっこいいです。アメリカ大統領をマスコミが追い詰める。日本のマスコミの無様さと比べてなんと違うことか。さすが自由と正義の国アメリカ。そんな幻想も今は吹っ飛びました。イラク戦争、トランプ報道、コロナ騒動などなど、日本のマスコミが平伏しそうな体たらくでした。ですので、昔観て感動したなあという感慨深いものが込み上げてきます。でも、映画は夢を売るものです。現実とは違うのです。フェイクではなくメディアは真実を一生懸命追求しているのだという祈りを込めて観ればいいのです。作品はよくできています。観て損はありません。もう二度とこんな作品は作れないかもしれません。
★★★☆☆ 時代の変化を感じながら見ることができた
ウォーターゲート事件の真相をその当時、2名の新聞記者がどのようにして暴いていったかを捕らえている。現在のように、コンピュータや携帯電話、ボイスレコーダなどが無い時代では、エビデンスは取材のメモ、電話メモだったらしい。現在は、通常の業務の打ち合わせでもボイレコで音を取り、エビデンスとして使用されていることを思うと、時代によっての仕事の変化を感じることが出来る。
作品の詳細
作品名:大統領の陰謀 |
原作名:All the President’s Men |
監督:アラン・J・パクラ |
脚本:ウィリアム・ゴールドマン |
公開:アメリカ 1976年4月7日、日本 1976年8月7日 |
上映時間:138分 |
制作国:アメリカ |
製作費:850万ドル |
興行収入:7000万ドル |
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