ブライアン・デ・パルマ監督が、フィルム・ノワールの必須要素、ファム・ファタール=宿命の女をタイトルに冠して描く
ストーリー:カンヌ国際映画祭のメイン会場、ル・パレ。各国のスターが入場する華やかな雰囲気の中、水面下で不穏な動きをみせる連中がいた。彼らの狙いは、ゲストのひとり、ヴェロニカ(リー・ラスムッセン)が身にまとっているダイヤで埋め尽くされた1000万ドルのビスチェ。さっそく一味のひとり、ロール(レベッカ・ローミン)がヴェロニカに近づくと、見事な連携で宝石強奪を成功させる。だが、宝石を手にしたロールは仲間を裏切り単身アメリカへ逃走する。7年後、別人となり新しい人生を歩んでいた彼女は、アメリカ大使夫人としてパリに舞い戻ることになるのだったが・・・。
出演:レベッカ・ローミン、アントニオ・バンデラス、ピーター・コヨーテ、リー・ラスムッセン、エリック・エブアニー、エドゥアルド・モントート、ティエリー・フレモン、グレッグ・ヘンリー、サンドリーヌ・ボネール
★★★★★ おもしろエロい
おもしろくてエロい、観てる最中も見終わった後も頭が混乱し、何回観ても初めて観る映画のような感じになってしまいます。頭がバカになっているのでしょうか。
★★★★☆ 誰もが持つ後悔や願望をうまく使ったサスペンス
誰もが心の奥底に大なり小なり持っているであろう二つの意識ー「あの時、別の選択肢を選んでいれば」という後悔、そして「過去を捨て、新しい自分になってみたい」という願望。これらを上手く物語の核にちりばめ、デパルマ流の質の高いサスペンスに仕上げてみせたのが本作品です。トップモデルとして名を馳せたレベッカ・ローミン・ステイモスが、その完璧なボディラインを惜しげもなく披露し、セクシャリティ溢れる悪女を演じています。対峙するアントニオ・バンデラスは、ラテン特有のその濃厚な魅力を適度に抑えながら、ヒロインに翻弄されるカメラマンを好演しており、むしろステイモスをより際立たせることに成功しています。とにかくプロットが秀逸。映画のキャッチコピーではありませんが、サスペンス通を自負する方でも、このクライマックスは読みきれないのでは。音楽やカメラワーク、スローモーションを効果的に使い、観る者を不安に陥れる術はさすがはデパルマとうなってしまいます。追い詰められた「今」から逃れたいと願うその時、目の前に現れた自分と瓜二つのファムファタール(宿命の女)。これまでの男性中心のそれとは異なる新たなファムファタール像を存分に楽しんでいただける作品です。
作品の詳細
作品名:ファム・ファタール |
原作名:Femme Fatale |
監督:ブライアン・デ・パルマ |
脚本:ブライアン・デ・パルマ |
公開:アメリカ 2002年11月4日、日本 2003年8月23日 |
上映時間:115分 |
制作国:アメリカ、フランス |
製作費:3500万ドル |
興行収入:1600万ドル |
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