カナダの田舎町をシンボリックに捉えながら、初老の男の執念が強まれば強まるほど精神が崩壊していくさまがスリリングに描かれた作品
ストーリー:その日、定年退職を迎えた刑事ジェリー(ジャック・ニコルソン)は、仲間が開いてくれたパーティで楽しい時間を過ごしていた。が、そこへ少女強姦殺人事件の報。ジェリーは、少女の母親に懇願され、犯人の逮捕を約束する。退職までに残された時間はわずか6時間。しかし、目撃証言から容疑者を連行、自白も引きだし、何とか逮捕に漕ぎ着けた。その後、容疑者は拘置所内で自殺を遂げるが事件は一応の決着をみたかに思われた。しかし、ジェリーには何か腑に落ちないものがあった。やがて、真犯人が別にいると確信したジェリーは、退職後もひとり独自の捜査を続けるのだったが・・・。
出演:ジャック・ニコルソン、ロビン・ライト、アーロン・エッカート、サム・シェパード、パトリシア・クラークソン、ベニチオ・デル・トロ、トム・ヌーナン、ミッキー・ローク、ハリー・ディーン・スタントン、ヴァネッサ・レッドグレイヴ、ヘレン・ミレン
★★★★★ 観るものを選別するかも
こういった演技というか役は、やはりジャック・ニコルソンならでは。あの「カッコーの巣の上で」を思い出した。神の御名において誓い(プレッジ)を立てさせられた者の苦悩。最後の悲劇に神の意地悪さを感じてしまったのは私だけ?ジャック・ニコルソンでなくては成し得なかった映画ではある。本当に救いすらありません、映画が終わってため息しか出ませんでした。でも、すごい映画でした。
★★★★☆ 「悲哀」の一言に尽きる。
「プレッジ」とは「固い約束」という意味である。この作品は、犯人を捕まえると約束した老刑事の哀しい運命が描いている。約束を守るという誓いは「執念」となり、彼はとりつかれたように犯人を追うようになっていく。その様は見ていて痛々しいほどである。主演のジャック・ニコルソンは役柄にハマっていたので切なさ倍増となっている。俳優としてのショーン・ペンもスゴイが、監督としてもなかなかスゴイ。とにかく作品が暗い。暗すぎる。オスカー俳優ベニチオ・デル・トロやショーンの妻であるロビン・ライト・ペンの演技が上手いので、よけいに作品が暗くなっている。でも、良く出来ているんだコレが。一応、ラストで真犯人は解るのだが、なんとも言えない終わり方だった。スカッとするわけでもなく、感動して涙を流せるわけでもなく、ただただ「ある男の哀しい人生」を見せ付けられた感じだった。結局、人間はとても脆い生物なのだ。誰かを必要としたり、誰かに必要されたいと思ったり、何かにすがりついたりする。自身の欲望を完全に制御する事は難しい。『プレッジ』は、そんな人間という生物をリアルに描いた作品ということができる。個人的には気にいっているのだが、はっきりとした結末が好きな方は観ない方がいいだろう。あと、鳥嫌いな方も見ないほうがいいかと思う。私は数百羽の鳥の描写が鮮明に焼きついてしまった。・・・アレは怖かった。
作品の詳細
作品名:プレッジ |
原作名:The Pledge |
監督:ショーン・ペン |
脚本:ジャージー・クロモロウスキ |
公開:アメリカ 2001年1月19日、日本 2002年6月29日 |
上映時間:124分 |
制作国:アメリカ |
製作費:3500万ドル |
興行収入:2900万ドル |
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