ドラマ

フローズン・リバー

光を信じて

ニューヨーク州最北部、2人の母親は家族のために凍てついたセントローレンス川を渡り、犯罪に手を染めていく・・・

ストーリー:新居購入のために貯めていた大金をギャンブル依存症の夫に持ち逃げされ、2人の子供を抱えて途方に暮れている白人女性レイ(メリッサ・レオ)。愛する夫に先立たれ、義理の母に奪われた赤ん坊をいつの日か引き取ることを夢見ながら生きるモホーク族のライラ(ミスティ・アッパム)、ふとしたきっかけで知り合った2人は、それぞれの切羽つまった“ギリギリ”の状況を切り抜けるために、はからずも共犯関係に手を染めていく。彼女たちが一緒に始めた仕事とは、真冬の氷点下の寒さで表面が凍ったセントローレンス川を車で渡り、カナダとの国境を越え、不法移民をアメリカへ密入国させるというもの。稼ぎは最高にいいが、先住民保留地の外で警察に見つかれば即刑務所入りの“危ないアルバイト”だ・・・。

出演:メリッサ・レオ、ミスティ・アッパム、チャーリー・マクダーモット、マーク・ブーン・ジュニア、マイケル・オキーフ、ジェームズ・ライリー、ディラン・カルソナ、ジェイ・クレイツ

視聴者の声【Amazonレビューより】

★★★★★ 母であることの痛み

アメリカNY州北部の冬は寒い。その寒風に立ち向かうように、ともに夫がいない、底辺の生活を余儀なくされている白人女性と先住民女性がひょんなことから知り合いになって、男もためらうような、危険な金儲けの仕事をこなす。一人はよりましなトレーラー・ハウスを求めて。もう一人は義母に連れ去られた子供との生活を夢見て。これは、夫が不在のため、男の役割を果たさなければならない2人の女性の物語。だが、母であることからは逃れられない。その痛さがひりひりと伝わってくる映画だ。カジノぐらいしかまともな「産業」がない先住民居留区の現実。トレーラー生活でも人並みの生活を過ごすために免れない「消費」。そういった問題も容赦なくカメラは捉える。しかし、救いのない映画ではない。女性コンビの1人の最後の雄々しい決断とそれに触発されたもう1人の行動によって、ほのかに希望が見える。きりりと引き締まった佳作だ。

★★★★☆ 家族のために必死に生きる、二人の母親の壮絶なドラマ

貧困と格差が支配する「もう一つのアメリカ」を垣間見せる映画です。テーマやモチーフがとても独特だけに、知識としても仕入れる価値ありというか、「こんなことがあるのか・・・」という感想は抱けるだろうという確信はあります。厳しい現実を活写したドラマですが、絶望感が漂っているかというとそうではなく、あちらこちらに力強い希望を見いだせます。おそらくその理由は、社会問題をモチーフにしながらも、物語の軸が「母と子」に置いてあるからでしょう。過酷な現実に翻弄されて、切れそうになりながらも力強く結ばれていく母と子のその絆が描かれています。変な言い方ですが、いろいろな場面で「人情味」を感じる、そんな映画です。静かに感動出来る作品でした。メリッサ・レオの演技も圧巻です。

作品の詳細

作品名:フローズン・リバー
原作名:Frozen River
監督:コートニー・ハント
脚本:コートニー・ハント
公開:アメリカ 2008年8月1日、日本 2010年1月30日
上映時間:97分
制作国:アメリカ
製作費:100万ドル
興行収入:600万ドル
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