彼女は世界中から愛され、一瞬にして世界中から憎まれた
アメリカ人女性初・史上二人目のトリプルアクセル成功者でありながら、前代未聞のスキャンダル「ナンシー・ケリガン襲撃事件」を引き起こたトップスケータ―、トーニャ・ハーディングの衝撃的実話をユニークな手法、迫力のスケートシーン、キャッチーな名曲たちを交えて描いた傑作が誕生!
ストーリー:貧しい家庭で、幼いころから暴力と罵倒の中で育てられたトーニャ・ハーディング(マーゴッド・ロビー)。天性の才能と努力でアメリカ人初のトリプルアクセルを成功させ、92年アルベールビル、94年リレハンメルと二度のオリンピック代表選手となった。しかし、彼女の夫だったジェフ・ギルーリー(セバスチャン・スタン)の友人がトーニャのライバルであるナンシー・ケリガンを襲撃したことで、スケート人生は一変。転落が始まる。一度は栄光を掴み、アメリカ中から大きな期待を寄せられたトーニャ・ハーディングだったが、その後、彼女を待ち受けていたのは・・・。
出演:マーゴッド・ロビー、セバスチャン・スタン、アリソン・ジャネイ、ジュリアンヌ・ニコルソン、ポール・ウォルター・ハウザー、ボビー・カナヴェイル、ボヤナ・ノヴァコヴィッチ、マッケナ・グレイス、メイジー・スミス、ケイトリン・カーヴァー
★★★★★ 強い女だ
2017年アメリカ制作の伝記作品。1994年に起きた「ナンシー・ケリガン襲撃事件」をクライマックスとする、アメリカの元フィギュアスケート・オリンピック選手トーニャ・ハーディングの半生、本人と身近な人物のインタビューに基づいた回想録のような作りになっている。それぞれの発言に差異があってもそのまま伝えて、観る側の審判に委ねる形になっており、決して主人公トーニャの主張擁護作品にはなっていないので、抵抗なく鑑賞できた。対母親、対恋人から旦那、現在の規制と厳罰化の進んだ世の中には、少々ショッキングな軋轢がストレートに表現されているが、たぶん誇張なく現実に即した再現になっているのだろう。昔はそういう時代だった、と想像しながら主人公の現在の年齢を調べたら、ほぼ同世代だったので、程度の差こそあれ、自分もそういう時代を生きてきたことになる。たぶん見方を変えれば、自己中心的で反省のない嫌な人間像にもなると思うが、作中の、どんなに心身をズタズタにされても「女の子らしくなろうとはしなかった」、彼女の決して屈服しないしぶとさは、下手すると憧憬の念を抱きかねないほど。昨今のフィギュアスケート・ブームは全く興味のない世界だが、VFXを駆使した試合の模様は、無関心なその目で観ても臨場感と興奮があった。
★★★★☆ 気の毒な生い立ち
マーゴット・ロビーはどこかで見たことがあると思いましたが、『アバウト・タイム』に出ていたすごい美女の方だったのですね。トーニャ・ハーディング役を演じるために相当な訓練を重ねたことと思います。その点については深く敬意を表します。とんでもない母親や暴力を振るう夫など、彼女の周囲は悪い人間ばかりで、非常に気の毒な状況であったことは良く理解出来ました。彼女の元へ隠しマイクを付けてやってきた母親には、身体が震えるほど腹が立ちました。ただし、トーニャも自分にとって良い人と悪い人の区別をつける能力があまりにも低いと感じます。当時の状況がよくわからずにTVでスケート競技を見ていた私にとっては、「なるほどそういうことだったのか」という場面がたくさんありました。
作品の詳細
作品名:アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル |
原作名:I, Tonya |
監督:クレイグ・ガレスピー |
脚本:スティーヴン・ロジャース |
公開:アメリカ 2018年1月19日、日本 2018年5月4日 |
上映時間:121分 |
制作国:アメリカ |
製作費:1100万ドル |
興行収入:5300万ドル |
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