運命を打ち破る
最上のキャストが集結。観る者の心をつかんで離さない、強烈なアメリカン・クライムドラマの傑作が誕生!
ストーリー:ペンシルバニアの田舎町ブラドックは、ファーナスから昇る白煙が常にたちこめていた。ラッセル(クリスチャン・ベイル)はこの町で生まれ育ち、年老いた父親の面倒を見ながら製鉄所で働く日々を過ごす。イラク戦争で心の傷を受けて帰ってきた弟ロドニー(ケイシー・アフレック)のことは心配だが、貧しいながらも恋人リナ(ゾーイ・サルダナ)とのひと時にささやかな幸福を見出していた。しかしある夜を境に、彼の運命は闇の底へと転がり堕ちていく・・・。
出演:クリスチャン・ベール、ウディ・ハレルソン、ケイシー・アフレック、フォレスト・ウィテカー、ウィレム・デフォー、トム・バウアー、ゾーイ・サルダナ、サム・シェパード
★★★★★ 至宝
素晴らしいの一言に尽きる。細部に至る完璧な設定に舌を巻く。兄の復讐に行きつく動機が鮮明に描かれている脚本が完璧。弟は鉄工所を嫌っているし、その原因が傷んだ父親にあることもしっかり伝わる。主人公が恋人を失い、人生を見失った隙をついて事件が起こるという必然は復讐の動機として十分。苦言を呈するならば、終盤で寝取り警官がなぜか鉄工所へまっしぐらだったのが?だったが、それくらいしかケチを付ける所が無かったくらい素晴らしい出来。まさに至宝の映画。
★★★★★ 西部劇か日本の時代劇かと見紛うほど
本当にイマドキの映画か?と思うような地味な展開。1960年代の映画か、と思わせるような単純なプロットとストーリー。しかしながら、役者が揃って巧い監督が撮れば1か月の撮影でここまでの作品が撮れる、ということか。流行りのアクションシーンは皆無だし、出口のない不況の鉄鋼の街での老人だらけの生活という、日本も地方を中心に陥っている生活状況を背景としていて、これでチャラい楽しい映画を作ろうとしても無理、ということだろう。監督や脚本は狙ったのかもしれないが、まるでかつての日本の時代劇かなにかを彷彿とさせるくらい無口なクリスチャン・ベールがぴったりはまっている。当初はレオナルド・ディカプリオが主演の可能性もあったらしいが、それでは台無しになっただろうな。
★★★★☆ ベイルいい味、出してるね。
潰れそうな製鉄所しかないアメリカの閉塞的な田舎町で病を抱えた父親と復員兵の病んだ弟の面倒をみながら、女に振られた主人公がダメ人生を歩み借金で破滅した弟の敵を取るため警察も手を出せない地元ギャング団と一人、戦う。とにかく人生行き詰まりどん詰まり感がにじみ出た作品だ。ベイル、デフォー、ベン・アフレックの弟と役者は本当に豪華!
★★★★☆ 重く暗くて救いがない。最後まで目を離せない。
弟思いの真面目な兄が、弟の復讐に向かう。この辺の心理が、実はちょっと移入しがたい。弟は自業自得な部分もあるわけだし。復讐劇なんだけど、暴力が苦手な人はちょっと辛いかも。父を亡くし、恋人を失い、弟も失ってそれで、自暴自棄になったのか、的な解釈はできるわけだけれども、復讐のシーンはかなり残酷でちょっとついてけない。まあ、悪役はそのぐらいひどい悪役を演じ切っていて、こいつなら仕方ないかな、と思わせる存在感はある。クリスチャン・ベールも、その辺の苦悩をきちんと表現していて、そこはさすが。恋人を奪われた警官に対しても、ちゃんと理解を示している。そういう細かな演出もうまい。とか、鹿を解体するシーンとか、うまい。だから、映画として面白いし、最後まで引き込まれる。邦題が、訣別の朝、ってなってるけど、なにに訣別したのか。この兄の、人生とか、希望とか、安息とか、そういう一切のものと訣別してしまった感、救いがない。見てるほうも、痛い。その、救いのなさ、を味わうことも必要なんだろうな、って妙に納得させてくれる作品。決して、単純な復讐劇ではなく、暴力を見せつつ、言いたいことは暴力の否定なんだろう、て事がきちんとわかる、良い作品だと思います。
作品の詳細
作品名:ファーナス/訣別の朝 |
原作名:Out of the Furnace |
監督:スコット・クーパー |
脚本:スコット・クーパー |
公開:アメリカ 2013年12月4日、日本 2014年9月27日 |
上映時間:116分 |
制作国:アメリカ |
製作費:2200万ドル |
興行収入:1500万ドル |
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