二人の血の絆は、やがて憎しみへと変わる
ストーリー:1974年、ニューヨーク。クリス( クライヴ・オーウェン)はかつて起こした殺人事件により服役し、7年ぶりに出所した。冴えない表情で迎えに来たのは彼の弟フランク。真逆の性格の二人はその生き方も全く異なり、犯罪に手を染め続けた兄とは正反対に、フランクは優秀な警察官になっていた。出所後、フランクはクリスを自分の家に住ませ、仕事を探し、クリスの別れた妻モニカ(マリオン・コティヤール)と子どもたちとの復縁を手助けたりと、心を入れ替えた兄を受け入れようとしていた。そんなある日、クリスは過去の犯罪歴がバレて失職し自暴自棄となる。兄のためにと尽力していたフランクは、そんな兄の姿に苛立を覚え、歩み寄りだしたかに見えた彼らの人生だったが、徐々に溝が深まっていく・・・。全てが上手くいかないクリスの元に、かつての犯罪仲間から再び仕事の話が舞い込んでくる。弟や父レオン(ジェームズ・カーン)の期待に葛藤しつつ、クリスは再び犯罪に手を染めてしまう。一方、フランクは次々に起こる凶悪事件を担当していた。遂に犯人を追いつめた先にいたのはクリスだったのだ。
出演: クライヴ・オーウェン、ビリー・クラダップ、マリオン・コティヤール、 ミラ・クニス、ゾーイ・サルダナ、マティアス・スーナールツ、ジェームズ・カーン、ノア・エメリッヒ、リリ・テイラー
★★★★★ 重厚なドラマ仕立て
派手なアクションクライムムービーを期待した人は、がっかりするでしょう。私も、予備知識無しに観るまではそういう期待をしていました。しかし、2時間強の長丁場をじっくり味わわせてくれる佳作でした。子供の頃のある出来事を境に葛藤を抱えるやくざの兄と警察官の弟を軸に、あまりにも切ない物語が進行します。貧乏が貧乏を生み、暴力が暴力を生む、いわゆる悪の拡大再生産の様子を、1970年代のニューヨークの下町ブルックリンをよく再現した衣装や車、セットなどで雰囲気抜群に描いていきます。キャストも豪華です。C・オーウエンがやくざな兄をひょうひょうと演じ、J・カーンが兄弟の邂逅を心待ちにしながら病に倒れます。いい演技です。めっけものの映画でした。
作品の詳細
作品名:マイ・ブラザー 哀しみの銃弾 |
原作名:Blood Ties |
監督:ギヨーム・カネ |
脚本:ギヨーム・カネ、ジェームズ・グレイ |
公開:オランダ 2013年10月30日、日本 2014年7月19日 |
上映時間:127分 |
制作国:アメリカ、フランス |
製作費:2500万ドル |
興行収入:200万ドル |
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