一生をかけて償わなければならない罪があった、命をかけて信じ合う恋人たちがいた
ストーリー:1930年代、戦渦のイギリス。美しいセシーリア(キーラ・ナイトレイ)は、ある夏の日、兄妹のように育てられた使用人の息子・ロビー(ジェームズ・マカヴォイ)を愛していることに初めて気づく。しかし生まれたばかりの二人の愛は、多感な妹・ブライオニー(シアーシャ・ローナン)の哀しい嘘によって引き裂かれる。戦場の最前線に出されるロビー。彼の帰りを待ち、手紙を送り続けるセシーリア。そして、自分の罪の重さを痛感するブライオニー。やがて三人の運命は無情な時代の流れに呑み込まれていく・・・。
出演:キーラ・ナイトレイ、ジェームズ・マカヴォイ、シアーシャ・ローナン、ロモーラ・ガライ、ヴァネッサ・レッドグレイヴ、ブレンダ・ブレッシン、ベネディクト・カンバーバッチ、ジュノー・テンプル
★★★★★ イギリス舞台の映画好きにはおすすめ!
もともとイギリスを舞台にした少し前の時代の映画が好きなのですが、単なる戦争で引き裂かれた恋人ではないところが、結末が気になり、ハッピーエンドを願いながら見ていました。終わり方がそうだよなーという感じでしたが、その時代ゆえに、そして家族ゆえに、いたたまれない心にぎゅっとくる作品です。
★★★★★ 眩暈にも似た衝撃を受けた
この映画を一言で言い表すことは難しいです。様々な側面から語ることの可能な作品であり、複雑で重層的な構造を持った物語です。これは、小説家についての物語であり、現実の解釈が視点によって大きく異なることについての物語であり、人々を引き裂いてしまう戦争の狂気についての物語でもあると思います。また、人が犯した過ちを償うことは果たして可能であるのか?という問いであり、その償いは果たして正しいのか?という問いでもあると思います。しかし、ある種のメタフィクションでありながら、何よりも、身分違いの悲しい恋の物語として純粋に心に迫る作品であることが、この映画のもっとも美しいところだと思います。前半、タリス家でセシリアとロビーがお互いに惹かれあいながらもぎくしゃくした関係から、ロビーのとんでもない過ちによって意外にも二人の恋が燃え上がる展開はとても官能的です。一方、二人を見つめるブライオニーの大人びた目と内面の子供っぽさのアンバランスが不安を掻き立て、物語は悲劇に発展していきます。その後に続く戦争の場面は次第に現実感を失っていき、ロビーが浜辺をさまよう長回しのシーンはシュールと言ってもよい場面の連続です。また、ブライオニーが看護婦として傷ついた兵士を看取る場面、セシリアとロビーが再会する場面など、登場人物がそれぞれ心に大きな傷を負い、足掻きながら生きようとする姿に胸を打たれます。そして最終場面、老境に至ったブライオニーのインタビューが、この作品を、幾多の悲恋映画と決定的に違う作品にしています。ここで失望するか、それともこの場面が引き起こす眩暈にも似た衝撃に心を揺り動かされるか、観る人によっておそらく二分されるのではないかと思います。自分は後者でした。そして、すぐにまた最初から見直したくなりました。このような衝撃を与えてくれた作品は、勉強不足もあると思いますが、まだ他に観たことがありません。ジェームズ・マカヴォイ、キーラ・ナイトレー、シアーシャ・ローナンの演技も素晴らしいです。
★★★★★ 手元においておきたくなる作品
評判が良かったので、最初はレンタルで観ましたが、2度繰り返して観てしまいました。おまけにいつでも観られるように手元においておきたくて、ついに購入!子役の女の子のガラスのような存在感も魅力的でしたし、単なる奔放なお嬢様かと思っていたヒロインが、実はとても人間的で熱い心の持ち主。今までの私の中にあったメロドラマの定石を全てひっくり返してくれました。個人的にはどこかハッピーな部分が欲しいところでしたが、最後まで貫き通す厳しい視線がまたこの作品の魅力なんだと思います。監督のいろんな計算は別にどおでもいいです。原作は読んだことがないので、是非読もうと思っています。
★★★★☆ ハッピーエンドではないが・・・
何らかの外的な事情により、お互いに愛しあう人と別れなければならなかった人は世の中には多いと思う。もしかしたらそのような方々にとっては、少し慰めになるかもしれない映画である。基本的にそのような恋人同士の願わざる離別の物語なので、ハッピーエンドではないことは確かである。しかしなからこの映画を観終わった後に、非情さが胸を襲うと同時に、かすかな慰めが心をいやしてくれるが救いである。
★★★★☆ 悲劇の愛の物語
嘘に始まり嘘に終わる物語。少女の頃には嘘をついて使用人を戦場へと追いやり、老女となってからは嘘でその罪を塗り潰した。嘘がまかり通ってしまう理不尽な物語とも言える。女性視点の映画ではあるが男性でも楽しめる。まず英国の田舎の貴族の館の優雅な日常生活が美しい。戦場に送られてからは、史上最大の撤退作戦とかいうダンケルクの海岸を埋め尽くす兵士達の長回し撮影が見事! ロンドンの病院では看護婦達の献身振りが美しく描かれ、虚構の姉への告白シーン、そしてラストの老女の独白へと繋がる。
★★★☆☆ 残念ながら期待はずれ。 つぐない? 自己正当化?
『プライドと偏見』は面白かったが、本作は面白くなかった。原作は読んでいないが、ストーリーが面白くないからだと思う。音でつなぐ、音楽を効果的に使う、時間を遡る等、色々な映像技術を駆使しているが、惹きつけるものにはならなかった。これが真実だとすれば、とんでもない話であるが、真犯人がわかった根拠の正しさが伝わってこないのもリアルさに欠ける。
作品の詳細
作品名:つぐない |
原作名:Atonement |
監督:ジョー・ライト |
脚本:クリストファー・ハンプトン |
原作:イアン・マキューアン『贖罪』 |
公開:イギリス 2007年9月7日、日本 2008年4月12日 |
上映時間:123分 |
制作国:イギリス、フランス、アメリカ |
製作費:3500万ドル |
興行収入:1億2900万ドル |
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