ドラマ

クラッシュ

『ミリオンダラー・ベイビー』の脚本を手掛けたポール・ハギスの初監督作となる群像ドラマ。人種や階層の異なる人々がさまざまな形で衝突し、運命を狂わしていく。第78回アカデミー賞作品賞ほか3部門を受賞。PG-12作品。

タイトルの「クラッシュ」とは、「ぶつかり合う」こと。肉体的、物理的なクラッシュから、心と心の触れ合いまでが含まれる。『ミリオンダラー・ベイビー』の脚本家であるポール・ハギスが監督・脚本の本作は、ロサンゼルスでの2日間の人間ドラマを、心に突き刺さるほどの「クラッシュ」とともに描いていく。登場人物は、地方検事とその妻、黒人刑事と同僚でスペイン系の恋人、TVディレクター夫妻、雑貨店を営む家族、鍵の修理屋など、さまざまな階層・人種。職業だ。無関係のようにみえた人々が、人種間の偏見、そこから生まれる憎悪が引き起こす事件によって結びつけられる。急展開ながら、登場人物の交通整理のうまさに引き込まれるのだ。警官からセクハラまがいの仕打ちを受けた女性が、その後、彼と思わぬかたちで再会するシーンなど、何カ所か、本当に背筋の奥までゾクッとさせるショッキングな描写もある。俳優たちも、ほかの出演作とは明らかに違う迫真の演技を披露し、最後まで観る者の目を釘付け。全編に漂うのは、いまだに差別に満ちたアメリカの現実だが、ラストシーンでわずかに残される希望が、静かな余韻を残す。

出演:サンドラ・ブロック、ジェニファー・エスポジート、マット・ディロン、ライアン・フィリップ、ブレンダン・フレイザー、ドン・チードル

視聴者の声【Amazonレビューより】

★★★★★ 良い脚本をうまく編集されている。

アメリカの恥部。その日本人にはわかりづらいところをうまくまとめた映画です。だいぶきれいに描いてはいますが、それでもアメリカの抱えている様々な問題があぶりだされています。とくに白人主義と差別、そして保険問題は、アメリカに住む人々にとって最大の問題です。それをうまく扱っていました。

★★★★★ 磨き上げられたセリフが一杯で、感動。

とにかく、セリフの数々が印象的な、等身大の人間探求のストーリー。丁寧に作られていて、そのセリフの印象的な事、磨き上げられたセリフの映画を久々に見た感じ。人間の複雑さも単純さもやりきれなさも、そして様々な出会いが巻き起こすアレやコレも、この映画の中で混ざり合い、輝いてもおり、観た人の心に色々な場面が残るだろう、という珠玉の映画だ。

★★★★☆ 色は関係ない。人間性。

タイトル通りの感想でした。それでも、日本に住んでる自分にはまだこんなにもアメリカでは、黒人差別がはびこっているんだと痛感させられた映画です。そしてそういう世界にいない自分は、申し訳ないが「黒人は根っこが違う」という概念を植え付けるような映画にも感じました。根っこというか、まだまだ差別があり生まれた時から差別がある、というのでしょうか。そういう環境が黒人に悪いレールを敷いてしまう原因なのだと。でも結局、人間の中には善と悪があり良い面、悪い面をきちんと自分が理解出来るようになった時初めて「人格」「人間性」ができるのでは。初めて見たんですけど、結構豪華キャストでびっくりしました。ただ感動、という感じの映画ではない。これが事実で、その中で黒人も白人もどう生きていけばいいのか。誰かに教わるのではなく、自分で感じてほしい。

★★★☆☆ 評論家向け?

何度もみてるはずなのに、ほとんど記憶に残らない。「こうすればああなる」というツボを押さえているのはいいが、どうにもそれが鼻につく。アカデミー賞取りたいがために作ったと言われても仕方がない気がする。脚本も演出も俳優も、なにもかも悪くはないと思う。しかし、「何が面白かった?」と人から聞かれて答えられない自分がいる。

作品の詳細

作品名:クラッシュ
原作名:Crash
監督:ポール・ハギス
脚本:ポール・ハギス、ボビー・モレスコ
公開:アメリカ 2005年5月6日、日本 2006年2月11日
上映時間:112分
制作国:アメリカ、ドイツ
製作費:600万ドル
興行収入:9800万ドル
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