骨太映画の巨匠ジョン・フランケンハイマーが贈る超一級サスペンス!
ストーリー:朝鮮戦争下、米軍マーコ大尉(フランク・シナトラ)の小隊が中国共産党軍の捕虜となった。やがて小隊はアメリカへ送還されたが、マーコは帰還して以来、奇妙な夢にうなされ始める。不審に思った彼が専門家の診断を頼りに原因を調べた結果、実は小隊が捕虜になっている間に洗脳の実験体にされ、隊の誰かが暗殺者に仕立て上げられていることが判明。事態を重く見た政府は帰還兵たちの身辺を洗い、マーコにかつて部下であったショー(ローレンス・ハーヴェイ)の身辺調査を命じるが・・・。
出演:フランク・シナトラ、ローレンス・ハーヴェイ、ジャネット・リー、ヘンリー・シルヴァ、アンジェラ・ランズベリー、レスリー・パリッシュ、ジェームズ・グレゴリー、ジョン・マクガイヴァー
★★★★★ ジョン・フランケンハイマーらしい社会派サスペンス
デンゼル・ワシントン主演の『クライシス・オブ・アメリカ』はこの『影なき狙撃者』のリメイク版ですが、やっぱり、こっちの方が面白いです。洗脳して暗殺者に仕立てるという、今ではよく見られる設定ですが、この映画が製作されたのは1962年。先見の明がありますよね。もちろんリチャード・コンドンによる原作も面白いです。監督のジョン・フランケンハイマーは『大列車強盗』『グラン・プリ』『フレンチ・コネクション2』などなど、骨太でサスペンスフルな作品を多く手がけていますが、この作品も骨太で、見ごたえたっぷりです。オススメの1本ですよ。
★★★★☆ 反共時代の米国感情を反映したスリラー
米国のアクション・スリラー・戦争映画は、明確な敵を常に必要として来たが、この作品は朝鮮戦争の影響を強く残しており、ソ連、北朝鮮、中国などの共産圏諸国を敵対国として位置付けている。朝鮮戦争の最中に共産軍に誘拐された米国陸軍の小隊がソ連のパブロフ理論を活用した洗脳に会い、軍曹がスペードのクイーンを見るとそれが活性化されて別人と化し、命令されるとおりに殺人を犯して行く。同時に洗脳された大尉は、洗脳の悪夢に悩まされつつ、殺人者を追い詰めていく過程を、監督のフランケンハイマーは独特のテンポで描いている。洗脳された軍曹に電話で殺人を指示するなぞの人物は誰か、かれらの狙いは何か、軍曹の母親はなぜ異常なほどの反共産主義者なのかなどの謎が快調なテンポで展開して行き、!!最後にはどんでん返しが用意されている。共産主義者の非情さが強調されているのも時代のなせるわざであることを強く感じさせる。
作品の詳細
作品名:影なき狙撃者 |
原作名:The Manchurian Candidate |
監督:ジョン・フランケンハイマー |
脚本:ジョージ・アクセルロッド |
公開:アメリカ 1962年10月24日、日本 1963年2月9日 |
上映時間:126分 |
制作国:アメリカ |
製作費:220万ドル |
興行収入:770万ドル |
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