世界を涙で包んだ、父と子の絆
ストーリー:かつてのボクシング・チャンピオン、ビリー・フリン(ジョン・ヴォイト)は、妻と別れてからツキにも見放されタイトルを失い、今は競馬場に勤務して一人息子とどうにか生活していた。息子のT・Jは、それでもいつの日か栄光の座に戻る日を夢見てトレーニングを続けている父親を尊敬し、パパと呼ばずに“チャンプ”と愛称で呼んで、父が再びチャンピオンの座に返り咲く日がくるのを信じて疑わなかった。そして彼は、そんな息子の期待の応えようと再びリングに登ることを決意する・・・。
出演:ジョン・ヴォイト、フェイ・ダナウェイ、リッキー・シュローダー、アーサー・ヒル、ジャック・ウォーデン、ストローザー・マーティン、ジョーン・ブロンデル、エリシャ・クック・Jr、メアリー・ジョー・キャトレット
★★★★★ 言葉じゃなく、涙
馬鹿な私には、この映画を語れるだけの言葉を持ち合わせていない。ただ、素直に涙となってエンドロールを見ていた。父と息子の絆、母と息子の絆、父と母の絆、この絆はどんな物差しでも図ることはできない。言葉じゃない、胸の奥の何かもっと底辺に沈んだ何かを思い出させてくれるそんな映画なのかもしれない。
★★★★☆ 父親とは
本作はわんわん泣ける映画として広く認識されていて、確かに子役の演技が憎たらしいくらい上手いし、父親があんなダメ人間なのに、全然グレてないいい子なもんだから、始終涙腺を刺激してくる。けれどもこの映画の主題は、父と子の絆ではないと自分は思う。だったらあんな結末にはしないはず。男は大切な人、家族の前で、再び尊厳を取り戻せるのか、それに尽きる。だから、自分はラストで泣けなかった。最近はアンジェリーナ・ジョリーの父親としてだったり、名悪役としてのジョン・ヴォイト、という立ち位置だったりするけど、ここでの彼の演技は本当に素晴らしい。元妻に豪華なプレゼントをもらって喜ぶ息子に、射的でゲットしたぬいぐるみをあげられず捨ててしまうビリー。元妻に対する苛立ちが、いつしか愛憎に変わっていることを悟るビリー。後続の作品に間違いなく影響を与えたであろう愛すべき、情けない父親像を確立したことも評価されるべきだと思う。
作品の詳細
作品名:チャンプ |
原作名:The Champ |
監督:フランコ・ゼフィレッリ |
脚本:ウォルター・ニューマン |
公開:アメリカ 1979年4月4日、日本 1979年7月7日 |
上映時間:123分 |
制作国:アメリカ |
製作費:800万ドル |
興行収入:6500万ドル |
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