死後、急に評価が高まりつつある孤高のアウトサイダー・アーティスト、ヘンリー・ダーガーの一生に迫るドキュメンタリー
ストーリー:1973年、ヘンリー・ダーガーという孤独な老人が他界し、1万5千ページを超える小説と、そのほとんどが3メートル以上もある数百枚の絵が発見される。1892年にシカゴで生まれた彼は幼いころに母を亡くし、父も15歳のときに亡くなってしまう。彼はやがて知的障害児の保護施設に入るがそこを抜け出し、単身生まれ故郷のシカゴに戻る・・・。
★★★★★ ダーガーの絵が動く!
著名なアウトサイダーアーチストであるヘンリー・ダーガーの作品を取り上げたドキュメンタリー。画力に自信が無かったダーガーが編み出したのは原画をトレース、撮影した写真を引き伸ばしたり縮小して必要なサイズに変えては自身の絵巻物に取り込んでいく手法であった。現在なら画像加工ソフトで楽に出来るが、当時は大変で、現像に掛かる費用は彼のつましい家計を圧迫する程であった。これらの作品を彼は誰に見せるためでもなく、自分自身の為に数十年も作り続けたその執念が凄い。そして、現代のCGはダーガーがトレースして作った作品をいとも簡単に動かして見せる。ダーガーの絵巻物の主人公、ヴィヴィアン・ガールズが昔のシガコを紹介するニューズフィルムに平気で合成されたりするのである。このアニメを観るだけでも価値が有るし、天涯孤独で、資料が殆ど無いダーガー自身の生い立ちや内面世界よりも作品に重きを置いた編集にも好感を持った。しかし、人生の晩年にすんだアパートの大家が芸術に理解があり、ダーガーにも親切な画商夫妻で有った御陰で、ダーガーの作品が後世に残った偶然には本当に感謝したい。映画内で触れられたダーガーの絵は規格外のサイズなので、できれば実物を見たいと思った。
作品の詳細
作品名:非現実の王国で ヘンリー・ダーガーの謎 |
脚本:In the Realms of the Unreal |
監督:ジェシカ・ユー |
脚本:ジェシカ・ユー |
公開:2004年 |
上映時間:81分 |
制作国:アメリカ |
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