ドラマ

アウェイ・フロム・ハー君を想う

たとえ僕を忘れても、僕は全てを受け入れる

ストーリー:グラント(ゴードン・ピンセント)とフィオナ(ジュリー・クリスティ)は幸せな結婚生活を営んできた老夫婦。しかし、フィオナがアルツハイマーだと診断され、彼女は自ら養護施設で暮らす決意をする。44年共に暮らしてきて初めて、別々に生活することになった2人。そして1ヶ月後、面会に訪れたグラントは、フィオナが夫のことを忘れて、同じ施設で暮らす、車椅子に乗った男性オーブリー(マイケル・マーフィー)に好意を寄せていることを知ってしまう・・・。アルツハイマーという病に冒され徐々に夫を忘れてゆく妻。そして過去の一度の過ちを未だ罪として背負い続ける夫。愛する妻のために、夫がとった究極の決断とは・・・。

出演:ゴードン・ピンセント、ジュリー・クリスティ、マイケル・マーフィー、オリンピア・デュカキス、クリステン・トムソン、ウェンディ・クルーソン、アルバータ・ワトソン、ニーナ・ドブレフ

視聴者の声【Amazonレビューより】

★★★★★ 最後の1分間に作品の価値が集約されている

アルツハイマーの発症を自覚した妻が擁護施設へ入る決心をする。そこを訪れる夫が見た彼女の行動は・・・。回想場面を含めて、夫のほうの視点からストーリーは語られる。妻のジュリー・クリスティーが美しい。『ドクトル・ジバゴ』(1966年公開)以来だから50年近くの年月を経ているのだが、その年齢をもってなお美しいのは、人としてのありようを演技を超えて訴えてくる女優の実力によるものか。 ラストが恐ろしい。意外な結末、というか、また新しい展開…。これによって作品は独自の価値を創りえたと思う。ちなみにベースとなった原作は”The Bear Came Over the Mountain”で、作者はアリス・マンロー(昨年のノーベル文学賞受賞者)。自ら脚本を書き、監督したのがサラ・ポーリー。この人もまた力量のある才人だ。

★★★★☆ 静かに胸を打つドラマだった

将来、自分がボケないって自信がありますか?私はないです。この映画のフィオーナのように、いつか認知症になってしまうかもしれません。自分が何をしているのか、あの人は誰なのか、分からない日がくるなんて想像もつかないの。でも、だからこそ、このドラマで起こることがとても身近で、心の深いところをついてきた。あの最後の場面も、あれから夫はどうしたらいいのか、ずっと考えてしまうと思いますよ。長年、連れ添った妻をどう受け止めていいのかと。映像も美しく、静かに胸を打つドラマでした。エンドロールの歌も とても良かったです。

★★★☆☆ 深い夫婦の愛

映画冒頭は長年連れ添った夫婦の自然な生活が映し出される。けれどすぐにアルツハイマーの兆しが妻フィオーナに現れ始める。フライパンを冷蔵庫にしまったり徘徊が始まったり・・・。そして介護施設へ入ることを考える夫グラントと妻フィオーナ。ここで注目したいのは介護施設へ入ろうと切り出すのは痴呆症状が始まった妻フィオーナの方なのだ。普通は夫が考え始めるのが普通の気がするのだけれど、ここは意表を突かれた。でも観たあと考えたら、これも映画からのメッセージなのではないかと。結婚前何度も浮気をしたグラントへのフィオーナからの無言の別れの言葉。「悪い人生ではなかったと思うのは男性の方」という言葉が予告編にも出ている通り、これが一つの映画からのメッセージではないか。ここはやはり監督が女性というだけあって、女性の観点から描かれているように思う。そして介護施設である一人の男性と親密な関係になっていくフィオーナ。夫への仕返しなのかそれとも呆けてしまっているだけなのだろうか。映画は核心部分へ近付いていく。そんな悲しい映画展開であったけれど、夫グラントは彼女の行為に耐え続ける。そのグラントのフィオーナへの深い愛に感動した。愛する人のためなら・・・。深い孤独を受け入れるグラント。その結果妻フィオーナは何を言うのか。ラストのフィオーナがグラントへ言う言葉には本当に心が揺さぶられた。深い夫婦の愛を描いたこの作品は心温まる物語でした。

作品の詳細

作品名:アウェイ・フロム・ハー君を想う
原作名:Away from Her
監督:サラ・ポーリー
脚本:サラ・ポーリー
公開:アメリカ 2007年5月4日、日本 2008年5月31日
上映時間:110分
制作国:カナダ
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