この家には何かが巣食っている
邪悪な気配に覆われる古い家の謎。足を踏み入れたが最後、恐怖から逃れる術はない・・・
ストーリー:元兵士のトマスは、ある日仕事先の建設現場で怪我を負い、ロンドンの病院に収容される。彼の現状を知った修道女のクレアはトマスにある家で療養するよう勧める。古びた家には老いた母親とその世話をする娘のマグダが住んでいたが、母親は病弱で屋根裏部屋から外に出ることがないようだった。徐々に生活にも慣れ、ミステリアスな魅力のマグダに惹かれていくトマスだったが、屋根裏部屋から聞こえる不穏な音や奇妙な生き物の死骸などただならぬ気配を感じ始める・・・。
出演:カーラ・ジュリ、アレック・セクレアヌ、アンゲリキ・パプーリァ、イメルダ・スタウントン、アナ・ラディン
★★★★★ フェミニズム・ホラーの傑作
21世紀の「ポスト・ホラー」と呼ばれるタイプの映画で、ゆーっくりと恐怖感を煽りながら、人間性(本作は男性性)をめぐる丁寧な思索を重ねます。ポスト・ホラーのジャンルの中でも『ババドック』や『バーブル』のようなフェミニズム・ホラーに属すのかなと思います。ゴア描写とスローなペースゆえに、好みは分かれるでしょうが、従来、白人男性目線でつくられてきたこのジャンルの進化の一端を見せてくれます。唯一の難点は、本作の主旨をねじ曲げる邦題。この映画に登場する強い力の持ち主を「悪魔」と見なすことが、日本の男性中心主義をベースにしているので、こんな邦題にするなら、いっそ『アミュレット』とカタカナにしてしまえば良いのにと感じました。いずれにせよ、ガライの監督としての奇才が、将来的にまた別の長編作品として実を結ぶことを、切に望みます。
作品の詳細
作品名:悪魔がみている |
原作名:Amulet |
監督:ロモーラ・ガライ |
脚本:ロモーラ・ガライ |
公開:アメリカ 2020年6月24日 |
上映時間:99分 |
制作国:イギリス |
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